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「Viva!公務員」(映画)

監督ジェンナーロ・ヌンツィアンテ


終身雇用を求めて公務員になった男がリストラの対象になってしまったことから巻き起こる騒動を描き、イタリアで大ヒットを記録したコメディドラマ。終身雇用の仕事に就いて安定した人生を送るという子どもの頃からの夢をかなえ、15年前に公務員になった独身男性ケッコ。しかし政府の方針で公務員が削減されることになり、ケッコもその対象になってしまう。それでも公務員の職にしがみつこうとするケッコをどうにか退職に追い込みたいリストラ担当者は、ケッコに僻地への異動を命じ続け、ついには北極圏へと左遷する。




 浮上できないので、明るくなれる映画が観たい。


 面白かった! ケッコは万能感の子どもがそのまま大人になったような幼稚で自己中心的な男。

 ママ大好き、男尊女卑、権力志向、差別的なものの見方と、まぁ嫌な奴なんだけど、その自己中も極まると、何でも自分に都合よく捉えて逆に自分を快適にさせるために周囲を動かす。


 そんな彼が「ヘンなのは自分」と自分に疑問を抱き、行動を変えていくのは自分とは対極のノルウェーの彼女に恋をしてから。その変容っぷりがまた、コロリとそれまでの自分を上書きする。無選択な取り入れ。

 そしてそんな上書きされた自分は、イタリアへの里心とともにメッキがはがれるように剥がれ落ちる。


 万能感の子どもの身勝手さ、我がままさとともに、その無邪気で憎めないところや、自ら望むときは柔軟に他を取り込んでいけるところ、情熱的に快を求めていくところ、がとても魅力的に描かれている。


 それから文化摩擦も。


 そして、彼をイタリア人のステレオタイプとするなら、現在のイタリアという国の瓦解も当然のことと理解できる。

 子どもがどれほど魅力的な生き物であっても、社会を築く上で、大人に依存している存在であるのはどうしようもない事実。


 万能感の子どもが、精神の自由さを失わないで、社会を築きあげていくにはどうすればいいのか、と考えてしまう映画だった。



 子どもと一緒に観たい映画。


 後日、子ども一緒に再視聴。イタリア人、ノルウェー人のステレオタイプをまず知らないので、ピンとこないみたいだった。





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