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「ミッドサマー」(映画)

 監督アリ・アスター

 出演フローレンス・ピュー, ジャック・レイナー, ウィル・ポールター


 アメリカで暮らす大学生のダニーと恋人のクリス、その仲間たちは、交換留学生であるペレの故郷スウェーデンで夏至ミッドサマーに行われる祝祭にいざなわれる。その村では、90年ごとに9日間の浄化の儀式が行われ、人々は着飾って様々な出し物をするのだという。人里離れたヘルシングランド地方、森の奥深く、美しい花々が咲き乱れる“ホルガ村”を訪れた5人は“白夜”のもと、優しく穏やかな村人たちから歓待を受ける。しかし、閉鎖空間の中、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。(C)2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.




 期待と評判の割りに今一つ。これなら「ウィッカーマン」の方が面白かったかな、と思う。

 アメリカからの学生は民俗学専攻なのに、真面目なのはジョシュ一人だけ。クリスチャンが便乗するようにここの論文を書く、と言いだした理由もよく判らない。

 この村出身のペレが友人たちを村に招待した動機もはっきりとは明かされない。


 考えれば考えるほど面白くなくて。


 登場人物の誰にも共感できないのが大きい。そして依存的なヒロインの在り方に同情もなく。クリスチャンはただ流されるだけだし。誰もが互いを気遣ているように見せながら自己中で。


 そしてカルト教団の描き方も上っ面を美しくなぞっているだけのようで。揃いの白や青の服や室内装飾はとても魅力的。そして緑の原、花。白い崖。映像美なのは納得だけど、それも作りすぎのようでもあるし。

 

 印象的だったのは、ひとりの快感、痛み、嘆きを周囲の村人たちが共鳴したかのように同調していく場面。それがその感覚を増幅させ増強させて自我を肥大させて巨大な集団自我になっていくように感じられた。


 個ではなく、集団で一つの意識なのだろうか。


 そのなかでよそ者は、消費されるだけの何かのよう。このなかにヒロインが迎え入れられたのはなぜだろう?







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