プロローグ:俺はこの世界でも振り回される
電子書籍で何冊か出してますが、小説は初めて書きます。比較的自由な時間があるので、何か形に残せる物に取り組みたい ということから始めました。精一杯がんばります。
俺はどこからきたのかわからない。何をしていたのかもわからない。
俺の名前も分からない。人間であったのは確かな気はする。
俺は無理やりこの世界に連れてこられたらしい。
気が付いたらこの世界にいた。
束縛されてるわけでもないし、制限されてるわけでもないが、俺は自由に動けない。
俺をこの世界に呼び出した人物はミスラスという錬金術師。
呼び出した依頼主はミリアという魔法を使えない女魔法使い。
のっぴきらない理由があって、そんな依頼をしたんだと。
この世界に来ることを俺が望むはずもない。こんな世界があるなんて夢にも思っていなかったから。
ミリアとかいうその女、名前も忘れたこの俺に勝手に「スタン」と名前を付ける。そして今、俺はそのミリアに振り回されている。とにかく俺を振り回さないと、俺もミリアも役に立たないんだと。
ミリアの仲間は否定はするが、ミリア本人がそう思い込んでる。
なぜなら俺はこの世界では、人間ではなくなってしまったのだから。
人間どころか、生き物でもない。幽霊、化け物の類でもない。
なぜなら俺は折り紙の紙鉄砲になってしまった。
だがただの折り紙じゃない。音が現象を引き起こす、魔力がこもった紙鉄砲。ところが俺を振り回すおかげでミリアも活躍してる。
こうなったらばしょうがない。元の世界を思い出すまでこいつと一緒にいてやるか。紙鉄砲としてばかりでなく、折り紙として助けてやろう。
いつまで一緒にいられるか誰にも先はわからない。だがこれからミリアの相棒。そしてミリアは俺の相棒。ミリアが所属するチーム、ファイヤー・クラックルの一員として、行動力はまったくないが、深謀遠慮に侃々諤々、俺の成しうる力の限り付き合うか。




