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酒売る街  作者: 青空鴉
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うるさい朝なんて嫌いよ

久しぶりに小説を書きます(汗)やっとパソコンを買い替え操作に慣れてきた今日この頃です。

今回は、以前から書きたいと思っていた「酒が禁止された街」を題材にした小説です。

少々長くなるかもしれませんし、文章はつたないものなので読みづらいと思いますが、「読んでやるよ」という方は、温かい目で見てください(涙)


今回はボスであるウォーカー視点で進んでいきます。

赤い、赤い炎が渦巻く姿はまるで馬が暴れ狂うようだった。

炎にすっかり食われた古びた家はきしむ音を出しながら崩れていく。

その炎を背に一人の女は長い髪をなびかせながら、地にうずくまる男を見つめる。


「駄目だよ。決まりを破っちゃ。だからこういうことになるの」


男はガタガタと震え顔を起こそうとはしない。ただ静かに後悔の涙を流し顔をゆがめる。男の手には一枚の写真。幸せそうな家族の姿。

だが、もう遅い。


女は震える男を置いて歩き出した。


女の前にある夜空はしっとりとした藍色でおおわれている。星ひとつない暗い空。

フゥ…と息を吐くと息は白く凍る。冷たくなった手をこすり足早に柔らかい明かりがともる街へと消えていった。









チュン、チュン。小鳥が鳴く音がして、枕にうずめていた顔を上げる。


「もう朝………」


起きなくては、でももうあと五分くらい寝ていたい…そんな考えが女の頭をよぎっては消え、よぎっては消え、眠りへと落ちていく。


枕を抱きしめる状態で動かなくなった時、赤い目覚まし時計のベルがけたたましくなった。


ジリリリリ…!!


「んぁっ!?」


あまりの音にたまらずベットの中から手を伸ばしスイッチを止める。ガチッ。


ジ…リリリリ…!!


「え…」


鳴りやまないベルのスイッチをもう一度今度は体を起こして止める。ガチッ。


ジ…ジリリリリ…!


「うそでしょぉ…」


いまだ鳴り響く音にめまいさえ覚えながら、枕をかぶり右手で若干乱暴にスイッチを押す作業を繰り返す。ガチッ。ガチッ!。ガチッ。ガチッ!。ガチッ!


ジリリリリ!!


「もう止まってよ!」


若干発狂しそうな勢いの女は、枕を投げ捨て、あまりに止まらない目覚まし時計をわしづかみにして壁にぶん投げた。


「いらつく!」


叫び声とともに時計は壁にぶつかり、ゴトリ。と案外鈍い音を立て粉砕した。ねじやら電池やらが飛び散った時計は無残だったが、女のもくろみ通り音は止まった。


だが、時計もただ壊れたのではなく本来の目的を達成していた。


女の目はさえにさえてもう一度寝ようなどとは思わないほどになっていた。


「朝から最悪」


そう一言つぶやいた女は椅子に無造作に掛けてあった白黒ボーダーの上着を肩にかけスリッパをパカパカ鳴らしながら、騒がしい一階へと降りていった。





「やっと起きたわね、お寝坊さん」


「朝食温めなおす?」


一階に降りるや否や、いつものメンバーが声をかけてきた。女は伸びをして首を回した後やや長めのテーブルにあるサラダを見る。


「お願い。それと、サラダのドレッシングはゴマダレがいい。」


キッチンに立つ別の女は電子レンジの前で「んー」と返事をした。


椅子に座って周りを見ると、とっくのとうに朝食は食べ終わっているらしくほとんどが大型テレビの前にいて、ソファに座りながらお菓子を食べている。時計は11時15分を指しているからまぁ、当然の風景だろう。


ぽかぽかとした陽気のなかで一人の女がこちらを向く。茶色い髪が柔らかく揺れかんきつ類のにおいが香る。今日はオレンジの香水をしているようだ。


「ねぇ。ウォーカー、今日は12時前に起きたんだね。」


「もう少し寝る予定だったんだけど、思わぬ邪魔が入ったのよ。」


ウォーカーと呼ばれる女はついさっき起きた目覚まし時計の悲劇を思い出しげっそりとした。椅子の背にもたれかかり、明るい色の木でできた天井をしかめっ面で見つめる。


「けれど、その邪魔、木っ端みじんに撃退したんでしょ。もう一回寝たらよかったのに」


こちらを向いた、ツインテールの髪がクスクスと笑う。ほかのみんなも顔はテレビを向いているものの、意識はこちらへと向かっているようでおかしそうな顔を浮かべるものが見える。


「シュー!あなたがあの目障りな時計作ったのね?なんで、いつも私が被害を受けるのよ!フィニアでもいいでしょ!」


椅子にもたれかかった体制から勢いよく前のめりな体制になり、涙目でシューと呼ばれるツインテールの女に抗議する。急遽指をさされたフィニアと呼ばれる黒髪のショートカットの女はみるみる目がつりあがり立ち上がる。


「あんたが早く起きればいいんでしょ!いつまでもフガフガ寝て、いつか牛になるわよ!?」


後ろで山が爆発するような音が聞こえたかと思うとフィニアの顔はみるみる真っ赤になる。

周りは「あーまたか。」とでもいうように各々の興味があることへと視線を変えていく。


「3年前も聞いたなーその台詞ーでも、私の体重は一向に変わりません。いつ牛になるのかなー?」


「今のうちになるわよっ!私らをまとめるボスなんだから少しは立派な行動しなさいよ!」


「だぁってー仕事は夜なんだもん。昨日の仕事の疲れも残ってるしー寝るくらいいいじゃん」


売られた喧嘩を買ったウォーカーは、フィニアとにらみ合いを続ける。


チン!


電子レンジの音ともにキッチンに立っていた女がこちらに料理を運んでくる。ホカホカなコーンスープととろけるチーズが乗ったトースト、ご注文通りゴマダレも。


「朝っぱらからよく飽きないね。ウォーカーできたよ。」


「ハリの料理はいつもおいしそー!フィニアとは比べ物にもなりませんな。」


「なによっ!」


「喧嘩は終わり。…ウォーカー、喧嘩をわざわざ吹っかけないで」


「はーい」


「ふんっ!」


ハリと呼ばれる女は喧嘩を呆れた様子でなだめ、ポケットから煙草を出す。通常より細い煙草で、つまようじほどのサイズといっても過言ではない。その煙草を吹かし窓のそばに行く。


トーストにがっつくウォーカーをよそに着物を着た女がしゃべりだした。


「昨日の仕事はお疲れ様でした。ノルマ以上の活躍に依頼主の方はとても喜んでいらっしゃいました。…次の仕事がありますが、お受けしますか?」


微笑みを絶えず浮かべる女は誰に視線を合わせる出なくいった。ウォーカーはさも当たり前のようにスープを一飲みにしてからいう。


「それは酒がらみよね?(つぼみ)


「もちろんでございます。」


「なら答えは決まりよね。依頼を受けましょ。」


蕾は満足そうにうなずいた。朝食をもう食べ終わったウォーカーは、口を拭いその場にいるものに堂々と言う


「私達の罪がなくなるまでもう少しよ!今回も暴れちゃって!」


その声に全員が笑う。殺気すらも感じられる雰囲気に普通の物なら息をのむだろう。




その者たちは、全員罪を負った者。衣装は黒と白のボーダーが基本。


この町は罪の物が運ばれる町。お代はあとあと、まずは飲むのが基本。


その者たちは背負った罪をなくすのが目的。罪が最も集まる街にいれば一石二鳥。

けれど、罪が集まれば罪をただすことができるやつも来る。


その者達は罪を重ねることはできるけど、自らの力で消すことはできない。だから、裏の約束に頼る。

けれど、裏の約束も所詮は裏。表じゃない。


自らが罪でもただされるためにつかまっちゃあたまらない。


ボスのウォーカー筆頭に、罪を背負った者たちは本来なら牢獄の中でつぐわなければならぬ罪を、裏の約束、秘密の約束でなくしていく。


この町は酒を売る街。酒は罪の物。


その酒を、罪を売って、買って、彼女たちの罪は消えていく。



ここは酒売る街








本当に、読みづらく、「何言ってんの?」と思うところがあったと思います…(涙)すみません(涙)


もしよろしければ、感想、アドバイス、ダメ出し…なんでもよろしいので送っていただけるとありがたいです!

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