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ある日、突如現れた謎の機械生命体、アンノウンにより俺たち人類の平穏な日常は、崩れ去った。
しかし、それに唯一対抗することのできる、シュヴァリエと呼ばれる者たちが現れた。
その者たちのおかげで、俺たち人類は再び平穏な日常を取り戻しつつある。
俺の夢は、そのアンノウンから人々を守るシュヴァリエになることだ。
そしてこの俺、三神 明は、シュヴァリエとなるため、このシュヴァリエ育成機関マリス学園に入学する。
そして今日がそのマリス学園の入学式だ。
ちなみに、入学式といっても今日は1年時のクラス決めしかおこなわないらしい。
どういうことかと言うと、この学園のクラスは、AからDの4クラスに分けられており入学時におこなわれる試験結果の成績が高い者からABCDの順番でクラスが振り分けられる。
つまり、Aに近いクラスになるほど優秀なシュヴァリエ候補生ということになり、シュヴァリエになれる確率が上がるということだ。
そんなわけで俺は、クラス分けの試験を受けるため試験会場に向かっている。
しかし、学園内は思ったより広く、クラス分けのための試験がおこなわれる会場である第1アリーナが、いくら探しても見当たらない。
第2アリーナならあるんだけどな……。
俺がそうして困っていると、この学園の制服を着た赤毛の女の子を見かけた。
もしかして、あの子について行けば、第1アリーナの場所がわかるんじゃないか?
そう思った俺は、彼女の後について行った。
その判断は正しかったらしく、彼女は試験会場らしい施設の中に入っていった。
俺もその後に続いてアリーナの中へと入ると、スーツを着た男の人が立っていた。
その男は、こちらに近づくようにと指示を出してきた。
俺はその指示に従い、男に近づいた。
「このカードに書かれてある番号の部屋に入ってください。
その部屋でクラス分けの試験をおこないます」
そう言われ俺は、そのカードを受け取り見てみると、01という数字が書かれていた。
俺は、01と書かれた部屋を探すことにした。
「えっと……ここか?」
その部屋は思ったより、見つけるのは簡単だった。
俺は、そのドアを開いた。
するとそこには、先ほどの女の子が座っていた。
彼女は、長くて赤いとても綺麗な髪をしていたので印象に残っている……間違いない、さっきの子だ。
「あんたが私のパートナーね……」
その子は、俺の方をジッと見つめてきた。
「全然ダメだわ」
え……?
いきなり、女の子からダメ扱いだと……。
「まぁいいわ、せいぜい私の足を引っ張らないことね。
私の名前は、赫井 葵。あなたは?」
赤い?
青い?
変わった名前の子だな……。
まぁ、とりあえず自己紹介だ。
あっちが名乗ったのに、こっちが名乗らないとか、相手に失礼だからな。
「俺は、三神 明だ。
よろしくな、葵」
「ば、バッカじゃないの!
なんで、あんたなんかが気安く私の事を下の名前で呼んでるのよ!
馴れ馴れしいにも程があるわ!」
いきなり怒鳴られるとは……。
この子、苦手だ……。