2 虚弱腐女子の半生
本文に虐待表現があります。ご注意ください。
また、聞き取りから時間が経っていて私の記憶が事実と異なっていたため、加筆訂正しました。
友人Sは虚弱だったこともあり、きっと家庭内に閉じ込められるようにして育ったんじゃないかと思います。おにいちゃんも障害者で、それをフォローするきょうだい児として生まれたのかもしれないし。
だけど、おにいちゃんのフォローができる健康な子に生まれなかった。それは生んだ両親に原因があると思うけど、生まれた子に責任を追及するような両親だった、らしい。会ったことないからあくまで伝聞からの私の推測だけど。
そんな虚弱な子が、ティーンの頃に統合失調症を発症、記憶が飛んでいることがよくあったそうな。病気のことを長いこと知らなかったので、時々、会話が嚙み合わないな、とは感じていたけど、そういう感じの性格なのかなと軽く見ていたのは事実なので、腹を立てたりしたことを申し訳なく思います。ごめんね。
でも深刻な病気のことを、友人とはいえ他人に、しかも病気の知識もあるかどうかわからない相手に知られるのは恐いことでもあると思うので、教えてくれてありがとう。勇気が要ったと思う。
Sから聞く限りでは、彼女の母親は世間体を気にする外面のいい奥様で、世間体の悪い身内の精神疾患を絶対に認めなかったらしい。ドクターショッピングで「違う」と言ってくれる医師を探し回ったそうな。
いませんよ、そんなヤブ。私文書偽造になっちゃうでしょ。
そうやってひたすら『出来の悪い子なので親戚づきあいもさせられないんで』みたいにして、ダメな子扱い、『家』の恥とでも思っていたんでしょう。ネグレクトされてたんじゃないだろうかと勘繰っているところです。
そういう母親を父親がたしなめたり、Sを庇ったりしたかといえば、全くのNO!
父親がどんな人格かといえば、幼い自分の娘の「泣き叫ぶ声が面白い」などという嗜虐的理由で、ライターの火で娘の腕をあぶったというのです。泣き叫ぶ幼女を押さえつけて大火傷を負わせる異常な男、父親になる資格、ある?
このあたり最初に投稿した時にはタバコの火を押し付けたとなっていましたが、私の記憶違いでした。訂正しお詫びします。私にとってもショッキングだったのだと思います。
当人もう故人なので反論できないから不公平ってことはあるかもしれないけど、事実としてSのからだには傷跡あるそうだしね。
外面は非常に好いくせに、家庭内に他人を入れることを極端に嫌がる、DV系パーソナリティにありがちな、閉鎖的なオトナ。
端的に言ってクズでしょう。
フツーに犯罪者です。
それが誰にも知られず家庭内で起きていた。
ホラーよりも恐い日本社会の一部です。
さすがに女の子(ヒトケタ歳)の腕にケロイドはマズイ、と母親が病院に連れてゆき、形成手術でどうにかしたようだけど、それでも残る傷跡って、どれだけ無残だったのか。
そもそも小学生が自分の腕にそんな大火傷、自分でつけるなんて医師も思わないでしょう?
火傷した状況を医師は母親から聞き取らなかったのか? 子供のイタズラで、なんて言い訳通用したのか? それともお金で隠蔽の示談とかした?
現代ならソク警察と児童相談所へ通報するところですよ。
田舎で父親が犯罪者となったら、転居は必須だったかもしれないし、母親だって尊敬される立場でなんかいられない。それで隠蔽したのかな。医師に正義感とか道義心とか足りなかっただけかな。
幼少時から暴行だの育児放棄をしておきながら、年頃になったSが精神疾患を発症したら、恥と思って閉じ込める、暴言を吐く。発症の原因が自分たちにあるとは考えなかったのか?(考えないんだろうな。そういう人間に限って外面好くて、立ち回り上手いんですよ)
後年、難病を患う妻の介護を娘だけに押し付け外に出さず、自分は娘の障害年金で悠々自適だったんでしょ? 信じられないよ障害を持つ娘の障害年金巻き上げる親って。どれだけクズなの。
母親を看取ったあと父親本人も病床に就き、Sにはワンオペ介護さんざんさせておいて、感謝の言葉ひとつくらいは掛けてあげたのでしょうか? 親を介護するのは当然だとして、なにをのろのろやってるんだテキなことでも言ったかな? 暴言お得意ですもんね。聴いてますよ、貴方は知らないだろうけど。
ドメスティックバイオレンスの典型みたいな家庭だったのでは?と、フツーに新聞やニュースを見てたり福祉系の教育も受けてたりする私には思えます。虐待を受けた自覚がいまいち、いや、ほとんどないSには「わかんない」ことかもしれないけど。
私や友人Yとのラインでやいのやいの「あれは虐待」「それも虐待」とケースごとに伝えてみても、「えー? そうなんだー?」などと、ヒトゴトみたいなリアクション。実際、ワガコトとして認識してたら、それこそ世を儚んでどこかから飛んでしまったかもしれないから、そうならなくてよかったのだけど。
DVといえばSの弟TもDV野郎です。ドきっぱり。あの両親のリッパな息子です。
社会的にはリッパな肩書あるかもしれないけど、Sへの暴言はよく電話やラインで聴いていたし、そっちこそ多重人格なんじゃないかと思う。外と中での落差が激しすぎる。程度ってものがあるでしょう。
特定の誰かへだけ異常行動が出ちゃうのって、それだけ執着しているってことなんだろうと思うけど、気持ち悪いですよ……。Sが不幸になることを望んでいるらしいです。理由は幸福になる資格がないから、とかなんとか? いいかげんにしろよオイ。そんな男からカウンセリング受けてるクライアントがお気の毒です。まあ赤の他人には尋常に向き合っているとは思いますけどね。他人に変なことしてたら通報されてるだろうからね。
両親の死後、自宅をやっと出ることができたSを弟Tは執拗に探し回っていたらしい。いろんな伝手から聞き出そうとして、最近、ついに聞き出してしまった。ダメじゃん市役所(だっけ?)!
転居なんてそうそう軽々しくできないんですからね!
なんか書類にハンコ押せってハナシだったようなことを聞いたけど、それは別のハナシだから置く。
家という小さな閉じた世界で、Sはよく耐えてがんばったと思う。生きていてくれてありがとう。
Sはただ、誰かに「助けて」と言えなかっただけだから。自傷してでも乱れる精神をどうにか抑えつけていたのかもしれないし、家族からの虐待を虐待と知らなかったせいで、そういうものなんだと洗脳されてきたせいで、耐えられたのかもしれない。ごめんね、酷いこと考えてる。
そんなSは二十歳前後で私やたくさんの同人仲間と知り合い、急接近しましたっけね(笑)
その頃は実家から遠く離れた関西で独居してたから、それも外へ世界が広がった一因かと思います。どうして同人なんていう(当時は)マイナーな方向に走り出したのかは知らないけど。トップスピードで沼にドッポンした気がしますよ。
まあ、腐女子は生まれた時から腐女子の因子を持っているらしい(?)ので、自覚するのが早いか遅いかの違いかもしれないし、ちょうど家庭と家族から遠く離れたことで遅まきながら自我が確立された、とか?
コミケの会場で、よく救護所に保護されてましたよね?
初対面時、頬はこけ、顔色は土気色、手足は棒みたいに細くて華奢。はっきりいってどう見ても病人です。ただSの趣味が子供っぽいスタイルなので「中学生かな? 細いねー」でスルーされてきたのかもしれません。その後何十年も、ですけど。
それだけの長距離移動と、買い物(たくさん歩かないと目的地の売り場ブースまで着かない)に会話、すごいバイタリティだったと思う。だいたい強行軍したあとは入院してたと聞いてますけどね……。
その多くの出会いの中に、Kの姉Iがいました。本来、私たちの共通の友人というか知り合いだったのはKの姉Iのほう。
だけど彼女は知り合って数年で、とても若くして他界してしまった。生来、病弱だったということは亡くなってから知りました、私はね。
病人同士、Sとはそういう身の上話もしていたのかもしれませんが。
昔のことでよく憶えていないけど、北海道のKのところへ行ったきりになった時期もあって、その頃お世話になった家庭の一員としてKともどんどん親しくなっていったんじゃないだろうか。
Iを姉と呼び(ちなみに私のことも姉と呼ぶ)、亡くなってからも忘れず大好きでいてくれるSを、Iの家族は嬉しく思っていたかもしれないし、身代わりではないけどIを忘れないよすがにもなっていたかもしれないと思う。あくまで想像ですが。
Sも実家とはまったく違う環境に癒され、全身で欲したかもしれない。
だから、そんなにも親しくて、ミウチみたいな相手という認識だったからなのか、KはSに甘え出したのですね。
些細なことならともかく、障害者であり障害年金を受けて慎ましく暮らしているSに、Kはお金を要求し始めたのです。その時点で友情の破綻に繋がると、夢にも思わないのがSという人格なんだよねー。
超絶箱入りだし世間知らずというか、フツーの社会感覚というものと乖離している感じ。「常識? えっ? ソレが常識? そうなの?」という具合。
『貴女の常識、世間の非常識』と、よくYと言ったものです。それに病気のせいで記憶が定着しにくいのもあるでしょう。
(つづく)
私の記憶がライターからタバコに置換してしまっていて、事実と異なる表記になっておりましたので加筆訂正しました。
嫌なこと思い出させてごめんなさい。ありがとうS。