プロローグ 後半
前半のプロローグが長くなってすいません。
「瑠がしっかり莉奈を見ていればこんなことにならなかったのに!!!」
と大声で僕に怒鳴った。
莉奈を見ていなかったのは確かに悪かった。
しかし、大切な妹を危険な目にあわせたことへの焦りと今まで怒ったことのないお母さんの初めて怒った姿を見た驚きで僕の頭は回っていなかった。
「どうして僕が悪いんだよ!!どう考えても誘拐した犯人の方が悪いのに!!」
そう言って僕は自分の部屋へ走っていった。
後ろからお母さんとお父さんが何か大声で言っていたけど、どうせ怒っているに違いないと思い、無視して部屋に入った。
その日の夜は何も食べず、お風呂も入らないまま布団に入った。
妹のことをずっと考えてしまったが、いつの間にか寝てしまっていた。
起きると昼になっていた。
両親はもう仕事に行ったようだ。
今日も学校があるけど行く気にもなれず無断欠席した。
食欲もないのでもう一度寝ることにした。
気づけば暗くなっていた。
どれくらい寝たのだろう。
そう思いリビングに行こうとした時、電話がかかってきた。
急いで携帯電話を手に取り確認すると警察からだった。
すぐに電話に出た。
僕は絶望した。
莉奈は川辺で死体で見つかったらしい。
服や体はボロボロで、死因がわからないから司法解剖を行い調べた結果、莉奈は複数の男にレイプされたり、サンドバッグのように殴る蹴るの暴行を加えられた後、川に流されたという。
犯人の男たちは逮捕され、有罪となり、刑務所へ送られたそうだ。
僕は両親が帰ってくるまで泣き続けた。
犯人への怒りと莉奈が死んだことへの悲しみがごっちゃになり頭が真っ白になった。
両親が帰ってきたので、現実を受け入れられないまま、警察から聞いたことを両親に伝えた。
お母さんは号泣し、お父さんはコップや皿などを投げて暴れながら泣いていた。
僕はもう流せる涙がなかった。
今ある気持ちは、
莉奈に会いたい
という気持ちだけだった。
その気持ちに気づくと、勝手に体が動いた。
自分では全く制御できない、他人の体に自分の意識だけ移ったような感覚だった。
そのまま走って家を出て走り続けた。
体力のない僕が今までにないくらい走り続けている。
走って、、、
莉奈と散歩していた場所に来た。
走って、、、
初めて莉奈と散歩ではぐれて、頑張って見つけた場所に来た。
走って、、、
莉奈が死体で見つかった場所に来た。
そこで僕は川に飛び込んだ。
自分のせいで妹を死なせてしまったことを後悔しながら
僕は死んだ。
やっと異世界の話へ入ります。