膜の外
膜の外
夜霧の向こうに、
日がのぼって、
水が、たっぷり、
あると、わかる。
さえぎる白い膜が、
薄まって、散っていく。
向こう側から、
ひかりが、抜けてくる。
ずっと。
こちら側から、
ひかりを当てようと。
ひかりは、
膜に当たって、
はねかえるばかり。
目を凝らしても、
なんにも、見えない。
わかっているのに、
何度も、くりかえす。
なみなみとある、
水が。
日に照らされて、
金色にひかる。
待つ時が、ある。
方法が、無いこともある。
ただ、立っているしか、
無いことも、よく、ある。
ほとんど、いつも。
無力だ。