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第九十四話 卒業、そして、公爵家の改革

 わたしは。ロデナーヌさんとは最近、ほとんどやり取りをしていなかった。


 それでもわたしはお互いの卒業をお祝いしたいと思っていたので、ロデナーヌさんと会ったら、お祝いの言葉を伝えようと思っていた。


 しかし、ロデナーヌさんは、わたしに嫌味は言わないものの、話をするのは嫌なようで、あいさつ程度のやり取りしかできなかった。


 それでも、あいさつだけでもできたので、良かったと思っている。


 わたしはロデナーヌさんに、心の中で、


「幸せになってほしい」


 と思っていた。


 頭が良くて、これだけの美貌を持っている女性だ。


 もう少し人にやさしくなることができれば、良縁に恵まれていきそうな気がする。


 その後、わたしは、マクシノール殿下と一緒になり。そして、他の六人とも一緒になった。


 わたしたちは、それぞれの卒業を祝った。


 ゲームでのクラデンティーヌは、卒業パーティーにおいて卒業を一緒に祝ったのは、リデクさんとラヨンドさんの二人だけで、マクシノール殿下は卒業パーティーではグラデンティーヌとは話すことはなく、王宮に戻ってしまっていた。


 その後、マクシノール殿下は、別の日にセリラーヌさんを王宮に招待し、二人だけでのお祝いをすることになる。


 しかし、ゲームでのクラデンティーヌは、マクシノール殿下に王宮に招待されなかったことについては、特に何も思うことはなかったし、何も言うこともなかった。


 それだけ二人の心の距離は離れていたと言っていい。


 それに比べて、今は、卒業パーティーの中で、マクシノール殿下やこうした親しい友達と一緒に卒業を祝うことができる。


 うれしいことだった。


「わたしは皆さんと今日という日を迎えられて、とてもうれしいです」


 わたしは、周囲に集まっているマクシノール殿下、セリラーヌさんとテドランスさん、そして、リデクさんとラヨンドさんとそのパートナーである侯爵令息二人の前で、胸を熱くさせながら言った。


 マクシノール殿下は、それに対し、


「わたしもあなたとこうして今日という日を迎えられて、とてもうれしいです」


 と応えてくれる。


 他の六人も口々に、


「わたしもとてもうれしいです」


 と言ってくれた。


 そして、わたしたちは、それぞれのパートナーと、一緒に幸せになっていくことをお互いに祈っていった。


 ゲームでは、この時期、セリラーヌさんは、まだ婚約者ではない。


 マクシノール殿下との二人だけでのお祝いは、今日とは別の日に行っていた。


 でも、マクシノール殿下とわたしの二人は、お祝いそのものをすることはなかった。


 もう既にこの頃には、マクシノール殿下の心はセリラーヌさんに移っていたのだ。


 しかし、今回は違う。


 わたしはマクシノール殿下との仲が睦まじくなってきたことを、国王陛下と王妃殿下に認識してもらっていた。


 そこで、この日の夜、わたしは王宮に正式に招待され、マクシノール殿下ともにお祝いをしてもらった。


 わたしはとてもありがたいことだと思ったし、とてもうれしかった。




 わたしが学校を卒業した後の四月上旬から、わたしは、「改革プロジェクトチーム」の三人とともに、コルヴィシャルデ公爵家の改革を本格的に行い始めた。


 わたしがこのチームのリーダーになって、メンバーたちと一緒に作成をした改革案を実行していく。


 わたしとメンバーたちは、現状を分析し、対策案を半年ほどでまとめあげた。


 四月上旬のある日。


 わたしは、領地にある屋敷で、メンバーたちの労をねぎらう為、慰労会を開催した。


「よくまとめていただきました。この対策案を実行していけば、このコルヴィシャルデ公爵家を活性化することができて、きっと住みやすいところになっていきます。あなたたちの力なくしては、ここまでまとめあげることはできなかったと思います。ありがとうございます」


 わたしは、メンバー全員をいたわり、感謝した。


 メンバーたちは、それに対して、


「この対策案をまとめることができたのは、クラデンティーヌ様の的確な指導があったからこそだと思っております。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」


 と感謝の言葉で応えてくれた。


 しかし、大変なのは、それからだった。


 対策案を立てている段階では、特に何も言ってくることはなかったコルヴィシャルデ公爵家の人たちは、案が実行され始めると、反発する人たちが出始めていた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


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