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第九十三話 結婚式に向かっていくわたしたち

 それから一年半以上が経った。


 七月上旬。


 この地にも夏が訪れていた。


 わたしの出発点の人生で住んでいた場所であれば、この時期は梅雨の最中。


 蒸し暑い日が多かった。


 その人生でのわたしは、病弱で、しかも暑さがそれほど得意な方でないので、梅雨と盛夏の間は、つらい思いをすることも結構あった。


 その点、この地は梅雨というものがない。


 晴天の日が多く、雨はこの時期、あまり振ることはない。


 気温はそれほど変わらないので、暑いことは暑い。


 しかし、湿度は低いので、そこまでつらさを感じることはない。


 その夏のある日、マクシノール殿下とわたしは結婚式を行うことになった。


 素敵な礼服を着たマクシノール殿下。


 純白のウエディングドレスを着たわたし。


 今、わたしは、王宮の中にある、結婚式が行われる会場のそばの部屋で、マクシノール殿下と恋人どうしとしての新たな段階に進んでからのことを思い出していた。




 恋人どうしとしての意識を確立したわたしたち。


 それからは、マクシノール殿下の謁見の回数が、月二回から週一回に増えた。


 マクシノール殿下もわたしも、本当は、毎日一緒にいたかった。


 しかし、お互いのスケジュールの関係で、それ以上会うのは難しかった。


 そこで、わたしたちは、その週一回の謁見で、一週間会えなかった分の想いを徹底的伝え合うように心がけた。


 マクシノール殿下はわたしを溺愛するようになっていく。


 そして、わたしもマクシノール殿下に、心の底からの愛を伝えていった。




 わたしたちが恋人どうしの意識になってから三か月後。


 翌年の春三月。


 十八歳になっていたマクシノール殿下とわたしは学校の卒業式を迎えた。


 わたしの親友となったセリラーヌさんとリデクさんとラヨンドさんの三人、そして、それぞれのパートナーであるテドランスさんたち侯爵令息の三人も、一緒に卒業式を迎えていたので、出席していた。

 ロデナーヌさんも、卒業式を迎えていたので。出席していた。


 成績は、入学から卒業まで、ずっと学年一位だったマクシノール殿下には及ばなかった。


 しかし、一生懸命勉強した結果、入学から卒業まで、ずっと学年二位の成績をおさめることができた。


 親友もこうして作ることができてうれしい。


 特に、ゲームでは敵になるセリラーヌさんと親友になれたのはよかった。


 そして、マクシノール殿下と相思相愛になれたこと。


 わたしにとっては、一番うれしいことだ。


 充実した気持ちで卒業式を迎えることができて、よかったと思っている。




 卒業式は盛大に行われた。


 六年間の様々な思い出が心の中に浮かんでくる。


 ここで過ごした六年間は、転生の記憶が戻る前の五年半と、戻ってからの半年に分けることができる。


 この学校に入学する前から転生の記憶が戻っていれば、セリラーヌさんをイジメるという酷いことはいなかっただろうし、傲慢な態度で周囲の人たちを怖がらせて、嫌われることはなかっただろう。


 この半年の間、一生懸命努力をしてきたことにより、わたしのイメージも変わってはきたものの、結局、イメージが悪いままの人が一定数は残っているようだ。


 残念で仕方がない。


 これからの人生では、傲慢な態度に戻ることなく、もっと自分磨きをしていきたい。


 そして、今以上の心の底からのやさしさを持って、人々に接していきたい。


 わたしはそう強く思っていた。


 卒業式が終わると、卒業パーティーが行われた。


 参加者はみな笑顔。


 こちらも盛大に行われていく。


 わたしはまずロデナーヌさんに会いに行った。


 ロデナーヌさんは、わたしが心を入れ替えて以降、最初の内はわたしに嫌味を言っていたものの、最近では、彼女の方はわたしとあいさつさえもをするのを避けていたので、やり取りをすることもなくなってきていた。


 ロデナーヌさんの方も、わたしに嫌味を言わなくなってきたということで、傲慢な性格が少しずつ変わりつつあるのかもしれない。


 ただ、わたしを嫌っているところはそのままのようだ。


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