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第八十九話 次の段階へ進みたいわたしたち

 十二月中旬の休日。


 わたしはマクシノール殿下にお茶会に誘われていた。


 この地は、雪はあまり多くはない地域ではあるものの、いつもこの時期から雪が降り始める。


 今日も雪が少し降っていて、底冷えがしている。


 その中を、わたしは王宮に馬車で向かっていた。


 マクシノール殿下が病気から回復した後は、マクシノール殿下が休日も忙しくなり、王宮での謁見が当分の間、なくなってしまった。


 マクシノール殿下と相思相愛にせっかくなれたというのに、マクシノール殿下と王宮で謁見できないのは寂しいものがあった。


 学校ではどうなのかというと、毎日あいさつと軽いおしゃべりはしていた。


 そして、わたしは、その時必ずマクシノール殿下に、


「マクシノール殿下、好きです」


 と恥ずかしがりながら言っていた。


 マクシノール殿下の方も、


「わたしもクラデンティーヌさん好きです」


 と恥ずかしがりながら応えてくれていた。


 それが、お互いの活力になっていった。


 しかし、マクシノール殿下はいつも、ここでわたしを抱きしめるということはしなかった。


 わたしとしては、もう二人は相思相愛になったのだから、抱きしめてほしいと思っていたのだけれど……。


 でも、一方では、お互いに「好き」という言葉で想い伝えあうだけでも、十分だと思う気持ちも強かった。


 マクシノール殿下の心が、わたしの方に心が向いていることは理解していたからだ。


 ただ、もう少し話す機会がほしいということは思っていた。


 しかし、同じ敷地内とはいっても、男女は別々の校舎になっているので、あいさつや軽いおしゃべりぐらいばらばともかく、放課後や休日に約束をしていない限り、通常は、話す時間を満足にとるのは難しい。


 もともと、転生の記憶が戻る前までは、二人とも学校では、あいさつ以外、話をしようと思ったことはなかった。


 その為、学校で会って話をしたことはほとんどない。


 今は会いたいという気持ちが二人とも強いので、放課後や休日に会いたいいう意志さえあれば、会うことができる。


 しかし、現実には、お互いスケジュールがなかなか合わないので難しいところだ。


 昼休みのような休み時間を生かすというところはもちろんあるのだけれど、お互いの校舎はそれなりに距離があるので、そこまで話の時間を取ることは難しい。


 そして、相思相愛になったからこそ、今までの友達との付き合いを、お互いに大切にしなければならないと思ったところはあり、その為には休み時間を使う必要があった。


 マクシノール殿下も、今まで学校で仲良くなった友達がいたし、わたしの方も三人の友達と仲良くしている。


 お互い、学校では、友達との付き合いを優先させていた。


 そうなると、マクシノール殿下と学校では、あいさつと軽いおしゃべりはできるものの、長い時間おしゃべりを楽しむということはできなくなる。


 でも、マクシノール殿下とわたしは相思相愛。


 毎日あいさつと軽いおしゃべりができて、しかも、「好き」という気持ちをお互いに伝えあうことができるということで、満足することはできていた。


 しかし、それは、マクシノール殿下との謁見が定期的にできるということが前提だった。


 わたしは、少し落ち込みつつも、マクシノール殿下から、次の謁見の知らせが来るのをじっと待ち続けていた。


 その知らせはをつい先日、マクシノール殿下とのいつものあいさつの時に聞いた。


 マクシノール殿下は、恥ずかしがりながら、


「今度の休日、クラデンティーヌさんを、わたしの部屋において、二人だけで行うお茶会に招待したいと思います。来ていただけるとありがたいと思っています」


 と言った。


 わたしはそう言われた瞬間、心が一気に沸き立った。


 マクシノール殿下と二人だけで長い時間一緒にいることができるということ。


 それがわたしにとっては、一番うれしいことだった。


 わたしは、もちろん。


「お招きありがとうございます。伺わせていただきます」


 と返事をした。


 マクシノール殿下は


「ありがとうございます」


 と言った後、一旦言葉を切った。


 そして、心を整え、


「クラデンティーヌさん。わたしはこの日をあなたと描く、特別な日にしたいと思っています」


 と熱意を込めて言った。


「特別な日……」


 マクシノール殿下はわたしと、恋人としての次の段階に進みたいと言っている。


 わたしは恥ずかしい気持ちになってきた。


 でもわたしはマクシノール殿下のことが好きだ。


 わたしもマクシノール殿下と次の段階に進みたいと思っている。


「わたしもその日をマクシノール殿下との特別な日にしたいと思っています」


 わたしは恥ずかしさを抑え込み、そして、熱意を込めてマクシノール殿下の想いに応えた。


「ありがとうございます。お互いに素敵な一日にしましょう」


 マクシノール殿下はそう言った後、微笑んだ。


 その後、正式な招待状も到着し、今日わたしは王宮に向かっていた。


 今日いよいよ、マクシノール殿下との新たな関係の構築を行おうととしている。


 緊張はしてくるものの、それ以上に、マクシノール殿下への熱い想いが心の中を占めるようになってきていた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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