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第八十七話 褒められてうれしいわたし

 王妃殿下に続いて、国王陛下も。


「わたしは、あなたがここまでの人物だとは思わなかった。わたしは先程も申したと思うのだが、あなたについてはわがままで傲慢な女性だと思っていた。ここまでは抑えられてきたが、さすがに、わたしたちから褒められたら、有頂天になり、傲慢さが出てくるのではないか、ということを危惧していたところだった。そして、侍医の尽力を考慮することはなく、わたしたちのマクシノールに回復してほしいという強い願いも考慮することなく、マクシノールの力も認識しないのでは? と思っていたのだ。もちろん、わたしたちの力は、お大きいとは言えない。しかし、わたしたちのことを配慮してくれたのは、たいしたものだと思っている。わたしたちのことはともかくとしても、このことは、先程、王妃も申していたが、こういう配慮ができなければ、マクシノールの婚約者としてふさわしいとは言えないし、そのレベルまで成長できないのであれば、政略結婚であるとは言っても考え直さなければならないところまで進んだかもしれない。しかし、あなたは、成長した。わたしたちがいくら褒めても、自分のことは一切誇らない。たいしたものだ。しかも短い期間で。ここまで成長してくれたのであれば、わたしとしてもマクシノールの婚約者としてふさわしいと認めることができる」


 と言った。


 そして、マクシノール殿下も、


「わたしはあなたがもう昔のわがままで傲慢な方に戻ることはないと、昨晩から今日の朝までの付き添いで、よく理解いたしました。これからのわたしは、あなたのことを一生懸命愛していきます。そして、あなたのことを幸せにしていきます」


 と恥ずかしそうに言った。


 国王陛下と王妃殿下の間なので、恥ずかしさが増しているような気がする。


 三人に褒められてうれしいわたし。


 しかし、マクシノール殿下の言葉を聞いて、わたしも恥ずかしい気持ちになってきた。


 なんとかその気持ちを抑えていく。


 そして、


「マクシノール殿下、そうおっしゃっていただいてありがとうございます。今のわたしもマクシノール殿下のことを愛しておりますが、より一層愛していきたいと思っております。そして、マクシノール殿下と一緒に幸せになっていきたいと思います」


 と言ったのだけれど……。


 国王陛下と王妃殿下の前で、マクシノール殿下への愛を語ることは、予想以上に恥ずかしいことだと思った。


 心が一気に浮き立ってくる。


 マクシノール殿下も同じ状況のようだ。


 国王陛下と王妃殿下は、わたしたちが、お互いへの愛を語ったことに、驚いていた。


 やがて、王妃殿下は、そんなわたしたちに、


「あなたたちの気持ち、わたしも理解してきました。愛を着実に育てているようで、わたしとしてもうれしいです」


 と言って微笑んだ。


 国王陛下も、


「わたしとしては、このように二人の愛が育まれていっていることは、予想外だった。しかし、こうした方向に進んでいるというのは、うれしいことだとわたしも思う」


 と少し微笑みながら言った。


 そして、国王陛下は、


「もともと、お前たちは政略結婚ということで今、婚約者どうしになっている。しかし、結婚というものは、愛し合う二人がすることが望ましいとわたしも思っている。二人とも、このまま愛を育み続けてほしい。そして、幸せになってほしい」


 と言った。


 王妃殿下も、


「わたしも国王陛下と同じ意見です。二人で愛を育み続けていき、幸せになってほしいと思っています」


 と言ってくれた。


 マクシノール殿下は、それに対し。


「お父様、お母様、ありがとうございます。わたしはもっとクラデンティーヌさんを愛し、きっと、クラデンティーヌさんと一緒に幸せになっていきます」


 と応え、わたしも、


「国王陛下、王妃殿下、ありがとうございます。わたしの方も、もっとマクシノール殿下のことを愛していき、一緒に幸せになっていきます」


 と応えていくのだった。


「面白い」


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