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第八話 幼馴染の殿下に恋をし始めるわたし

 グレゴノール殿下とわたしが、入学して四年目の春のこと。


 わたしがおしゃべりをするようになった男子たちの中には、わたしとフィーリングが結構合いそうな貴族令息がいた。


 本人もそれは理解をしていたようだ。


 さすがにグレゴノール殿下を差し置いて、恋人どうしになりたいという意志はなかったと思われる。

 でも、わたしとのフィーリングはその令息の方も結構合うと思っていたようだ。


 わたしと恋人どうしになるかならないかのぎりぎりの線まで親しくなる努力を一生懸命していることは、わたしも感じていた。


「レデシアーヌさんほどの美しい方は、この世にいないでしょう」


「レデシアーヌさんはとても素敵な方です」


 こうした歯の浮く言葉をわたしにかけてくる。


 直接、


「レデシアーヌさんが好きです」


 といった言葉はかけてこないのだけれど、わたしに対する熱い想いは伝わってくる。


 心が少し動きかけたこともあった。


 しかし、わたしにはグレゴノール殿下という婚約者がいる。


 しかも、わたしは思春期を迎えてきていて、グレゴノール殿下への想いが恋に変化し始めた時だった。

 心を動かされてはいけない。


 その令息とは、結局、おしゃべりをする以上の関係にはならなかったし、そういう意志もなかった。


 そして、その令息は、やがて、他の貴族令嬢と恋仲になっていき、わたしとおしゃべりをすることは少なくなっていった。


 ちょっと寂しい気持ちがしたのだけれど、これでよかったのだと思う。


 わたしが男子の中での人気が一・二を争うようになってくると、一部の女子の間で、「高慢ちきな女」と言われるようになってきた。


 わたしはそういう行動をしている気は全くないのだけれど、グレゴノール殿下の婚約者として気品のある態度をとることを心がけていたので、それをそのようにとるようになったのだろう。


 仕方のないことだと思う。


 多少の批判はしょうがない。


 グレゴノール殿下の婚約者としてふさわしい態度をとることが大切なのだと自分に言い聞かせていた。


 しかし、グレゴノール殿下の方は、わたしに対しての恋する心は、まだまだ育っていないように思えた。


 毎日楽しくおしゃべりをしているのだけれど、それ以上のことは何もない。


 わたしと一緒にいても、特に胸がドキドキすることもないようだ。


 わたしの方は、少しずつではあるものの、グレゴノール殿下と一緒にいる時は、胸がドキドキし始めているというのに……。


「わたしは異性として認識されていないのかな?」


「わたしは恋の対象ではないのかな?」


「わたしは結婚するにしても、形だけの結婚止まりなのかな?」


 という気持ちが心の中をだんだん占めるようになってきた。


 わたしは、幼少の頃から身だしなみには気を使うようにしていた。


 入学してからは、より一層、身だしなみに気を使うようになったし、おしゃれもするようになった。


 学校で作った友達とも情報交換をして、自分の容姿を磨く努力をしてきた。


 一番の目的は自分自身の魅力を高めていくこと。


 でもそれだけではない。


 この努力が、少しでもグレゴノール殿下に伝わるといいなあ、と思っていた。


 わたしの方は、グレゴノール殿下に異性としての意識を、少しずつではあるが持ち始めていたというのに、グレゴノール殿下の方は、わたしを異性として認識する様子が、入学後四年になってもないままだった。


 毎日グレゴノール殿下と接していて、楽しいことは楽しい。


 フィーリング自体は合っているのだと思う。


 そういう意味では、切っても切れない関係だと思っていた。


 しかし、わたしとしては、どこか物足りない気持ちはあった。


 関係をもう少し進めたい気持ちも持っていた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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