表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/97

第七十七話 王宮からの使者

 舞踏会から二週間ほどが経った。


 この間にわたしは、休日にコルヴィシャルデ公爵家の領地にある屋敷を訪れ、


「コルヴィシャルデ公爵家領内についての報告」


「コルヴィシャルデ公爵家についての報告」


「コルヴィシャルデ公爵家改革プロジェクトチームの第一回目の報告」


 をそれぞれ聞いていた。


 税負担の改善を図った結果、領民たちの不満はやわらぎつつあるとのこと。


 コルヴィシャルデ公爵家内のわたしの評判も、少しずつではあるが、良くなる方向に向かっているようだ。


 プロジェクトチームの方は、現状分析を細かく行っているところ。


 しかし、既に問題点はかなりの部分が抽出されてきていて、その部分をわたしはプロジェクトチームの人たちと共有した。


「クラデンティーヌ様が既に大枠の対策案を示されておられます。その案に基づきわたしたちは、細かい対策案を練っていきます」


 とクラシディネさんは言っていた。


 わたしは三人のことをねぎらった。


 三人とも頼りになる。


 わたしは領内経営に必要な指示を、ギョーネさんを始めとする公爵家の人々に出した。


 そして、プロジェクトチームへのメンバーに必要な指示を出した後、王都にある公爵家の屋敷に戻ってきた。


 領内との往復は、想像以上に疲れるものだ。


 しかし、公爵家を良くしていくということは、充実感も大きい。


 こうして、学校に行きながら、領内経営に携わっていたわたし。


 多忙な中ではあったのだけれど、マクシノール殿下への想いはますます強くなってきていた。


 夜寝る前は、特に、マクシノール殿下のことで心が一杯になる。


 最近は、夢にまで出てくるようになっていた。


 その中では、いつもラブラブなわたしたち。


 恥ずかしいのではあるけれど、キスをする夢も見るようになってきた。


 間もなくマクシノール殿下と会う日が来る。


 前回、マクシノール殿下は、


「次にお会いする時は、あなたの想いに応えたいと思っています」


 と言っていた。


 その、


「想いを応える」


 という意味の中には、キスをするということも含まれているのだろうか?


 わたしはもう手を握り合う程度では、我慢できなくなっていた。


 できればキスまで進みたい。


 そう思うようになってきた。




 そしてマクシノール殿下に謁見する当日を迎えた。


 わたしは、マクシノール殿下に求められることも想定して、風呂で念入りに体を洗っておいた。


 そして、お気に入りのドレスを着ていく。


 もちろん、今日すぐに。そこまでいく可能性はほとんどないと思っている。


 まだわたしたちは、手を握り合うことしかしておらず、キスさえもしていないからだ。


 でも、わずかな可能性ではあっても、準備は必要だ。


 その準備が終わり、王宮に向かおうとしていたのだけれど……。


「クラデンティーヌ様、王宮から使者が来ております。こちらの部屋にお通ししてよろしいでしょうか?」


 侍女のドディアーヌさんが、執務室にいたわたしにそう伝えてきた。


「伝えてくれて、ありがとう。お通ししてください」


 わたしはそう応えた。


 マクシノール殿下の使者は、今までも定期的に来ていた。


 しかし、今日は、これから王宮に出かけるところだ。


 もしかして、マクシノール殿下が倒れたのでは?


 そういう緊急性のあることなら、使者が来ることもありうるだろう。


 マクシノール殿下は、ゲームの中では健康だという設定だった。


 ただ、幼少期は、少し体が弱かったという設定だった。


 転生を思い出す前のわたしの記憶の中でも、この設定の通り、子供の頃は、それほど体は強くなかったようだ。


 しかし、ゲームの中の設定と同じで、思春期を迎える頃には、日頃の鍛錬を続けていった結果、健康な体になっていたので、わたしはマクシノール殿下が倒れたとは思えなかった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


下にあります☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に思っていただいた気持ちで、もちろん大丈夫です。


ブックマークもいただけるとうれしいです。


よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ