第七十四話 ダンスを褒められるわたしたち
わたしとしては、
「愛のあるダンス」
という部分を今回の舞踏会で評価してもらえることが一番うれしい。
しかし、この評価は、マクシノール殿下とわたしが相思相愛になっていかないと得ることは難しいと思っている。
わたし自身としては、今までの儀礼的なダンスではないものをここで生み出すことができたと思っていて、その点では、充実感があったし、うれしい気持ちになっていた。
セリラーヌさんとテドランスさん、そして、リデクさんとラヨンドさんも、大きな拍手をしてくれていた。
わたしはそれに応えながら、うれしさで少し涙がこぼれてきていた。
もちろん、今日はまだ始まりでしかない。
マクシノール殿下とわたしが相思応愛になり、二人でもっと練習して、レベルを上げていく。
そして、
「愛のあるダンス」
にもっと磨きをかけていきたいと思っていた。
舞踏会が一段落した後、マクシノール殿下とわたしは、一緒にバルコニーでを外を眺めていた。
そのわたしたちのところに、セリラーヌさんとテドランスさんの幼馴染どうしと、リデクさんとラヨンドさんの二人、そして、その二人がそれぞれ今日出会ったパートナーの合計六人が。わたしたちのところにあいさつにきた。
男女のカップルとしては三組になる。
その六人は口々に。
「お二人の愛を感じることができる素敵なダンスでした。感動いたしました。ありがとうございます」
と言ってくれた。
わたしはそれを聞いて、熱いものがこみあげてくる。
まだまだこれからもっとレベルを高くしていく必要はあると思っている。
そして、マクシノール殿下と相思応愛になっていき、そのダンス自体のレベルをより一層高くしていきたいと思っていた。
でも今の時点でも、
「愛のあるダンス」
と評価してくれているのは、熱いものがこみあげてくるほどうれしいことだ。
わたしは涙が出そうになるのを抑え、
「こちらこそありがとうございます。皆さんが応援してくれたおかげです。また、皆さんのダンスも素敵で感動しました」
と微笑みながらそう応えた。
マクシノール殿下も、
「応援ありがとうございました。わたしからも皆さんに感謝を申し上げます。皆さんのダンスも素敵でしたし、感動いたしました」
と微笑みながらそう応えた。
六人は、わたし達の言葉を聞いて、
「わたしたちのダンスを褒めていただき、ありがとうございます」
と感激していた。
その後、六人は、マクシノール殿下とわたしたちにあいさつをした後、カップルごとに、別の部屋に移っていった。
まだまだ談笑を続けるのだろう。
三組の男女のカップルとは言っても、幼馴染の一組はまだ幼馴染の枠は越えられていないようだし、他の二組は今日出会ったばかり。
その三組のカップルが全員、仲が良くなっていき、恋人どうしになれるとといいな、と思っていた。
三組のカップルが去った後、マクシノール殿下は、
「今日はあなたと素敵な時を過ごすことができました。今日の参集者たちも、とても喜んでいます。ありがとうございます」
と言った。
わたしはそれに対し、
「今日はお招きありがとうございました。こんなに素敵な時間を過ごすことができて、幸せでございます」
と応えた。
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