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第七十二話 愛のあるダンスを踊る決意

 わたしは今まで、マクシノール殿下と一緒に踊ることができたたのは。儀礼的なダンスだけだった。


 でもこれからは、愛のあるダンスをマクシノール殿下と踊っていきたい。


 そして、心からの祝福を参集者から受けたい。


 そう思ってきたわたしだっただけだれど、


「愛のあるダンス」


 ということであれば、これからではなく、今の時点からでもできるのではないか、と思うようになってきた。


 マクシノール殿下とわたしが、お互いへの愛をダンスという形に変えていければいいのだ。


 もちろん、まだわたしたちは、相思相愛というとこまでは到達していない。


 しかし、マクシノール殿下はわたしに恋に近いところまでの好意を持ち始めているし、わたしは今日も、マクシノール殿下の魅力に心が動かされている。


 この状態であれば、相思相愛とは言えなくても、それに近い、


「愛のあるダンス」


 をマクシノール殿下と踊ることができる気がしてきていた。


 そう思って、隣に座っているマクシノール殿下の方を向く。


 この部屋に入ってからは、わたしも緊張していたのだけれど、マクシノール殿下も緊張しているようで、お互い無言だった。


 舞踏会に入ってからは、セリラーヌさんとテドランスさんや、リデクさんやラヨンドさんたちのダンスに集中し、応援をしていたわたし。


 しかし、


「愛のあるダンスをマクシノール殿下と踊っていきたい」


 と思ってから、ほんのわずかしか経たない内に、マクシノール殿下の方を向いたので、わたしの心の中には、一気にマクシノール殿下への想いが湧き上がってきた。


 あっという間に、わたしの心はマクシノール殿下で占められていく。


 マクシノール殿下、好きです!


 その言葉は、今ならば言えると思ったのだけれど……。


「そろそろ時間のようです。一緒に参りましょう」


 マクシノール殿下のやさしい言葉に、わたしは、その言葉を言うことがまたしてもできない。


 わたしは、少しガックリした。


 でもすぐに心を切り替える。


 ダンスが終わった後、今度こそは、「好き」という気持ちを言葉で伝えようと、わたしは思っていた。




 いよいよマクシノール殿下とわたしがダンスを踊る時が来た。


 マクシノール殿下とわたしは手をつなぎ、会場に入っていく。


 マクシノール殿下も緊張しているようだし、わたしも緊張していた。


 そして、マクシノール殿下と手をつなぎながら歩いているので、恥ずかしさも大きいものがある。


 転生の記憶が戻る前のわたしも、マクシノール殿下と手をつないで歩きながらダンスの会場に向かっていたのだけれど、マクシノール殿下もわたしも、儀礼的なものと割り切っていて、特に心が動くということはなかったようだ。


 でも今は、胸のドキドキが大きくなってくる。


 そして、心が沸き立ってきていた。


 会場は、出席者たちの拍手で包まれていた。


 そのほとんどは、マクシノール殿下に対してのものだと思われる。


 わたしに対しては、多分、ほとんどないと思う。


 それどころか、


「マクシノール殿下にはふさわしくない」


「わたしの方がマクシノール殿下と踊るのにふさわしい」


 だと思っているのだと思う。


 しかし、それを気にしていてもしようがない。


 一生懸命踊るだけだ。



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