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第三十七話 セリラーヌさんに謝りたい

 わたしの取り巻き二人は、わたしの言うことに賛同してくれた。


 もしかすると、これを機に離反するかもしれないと思っていた。


 その時は、学校内で一旦は孤独になることも覚悟していたので、それを避けることができたのは、うれしいことだった。


 しかし、処断を避ける為には、ここでホッとしてはいられない。


 次はセリラーヌさんと二人きりになり、今までのことを謝らなければならない。


 彼女に対するイジメをしていたのは、これも転生のことを思い出す前のことなので、今のわたしとしては、


「なぜわたしが謝らなければならないのだろう?」


 という気持ちが、どうしても根底にある。


 ここで仲良くはなれない可能性はある。


 しかしわたしが今までのことを謝れば、少なくともセリラーヌさんとの和解はできると思う。


 それがなければ、この次にしなければならないマクシノール殿下とわたしの対面の時に、わたしが生まれ変わろうとしていることをマクシノール殿下に示すことができなくなってしまう。


 マクシノール殿下がセリラーヌさんと出会う舞踏会の前に、マクシノール殿下と会うことができるのは、この一回のみだ。


 セリラーヌさんとの和解の機会を逃してしまったら、たとえ、わたしがセリラーヌさんへのイジメを止めても、それ以前からの築盛があるので、セリラーヌさんも周囲の人々も、わたしの「イジワル」なイメージを持ったままだろうし、特に、セリラーヌさんは心の傷が残ったままだろう。


 この状態でマクシノール殿下がセリラーヌさんと出会うのであれば、セリラーヌさんは話す気がなかったとしても、周囲の人たちの方から、わたしがセリラーヌさんのことをイジメていたという情報が、マクシノール殿下にある程度伝わることになり、マクシノール殿下もセリラーヌさんから聞くことになるだろう。


 そして、セリラーヌさんの方も、マクシノール殿下に、わたしから受けたイジメのことを話すことになると思われる。


 そうなると、マクシノール殿下はセリラーヌさんに一気に心が傾いていき、わたしに対する好感度は限りなく下がってしまうことになる。


 ゲームでの展開通りになってしまうのだ。


 それを避ける為には、とにかくセリラーヌさんに謝るしかない。




 翌日。


 放課後になると、セリラーヌさんはいつも図書館で読書をしてから帰宅をする。


 その日の朝、セリラーヌさんに対してわたしは、その時間を少し借りて一緒に話がしたいと申し出た。


 返事をどうするか、というところで、わたしのことを怖れてなかなか決められないと思っていたのだけれど、


「いいですよ」


 と思いの他、すんなりOKをしてくれた。


 しかも、微笑みながら。


 わたしは、予想外の展開に驚いた。


 そして、セリラーヌさんのことを改めて見直した。


 クラデンティーヌのイジメに対しては、言われるがままで、抵抗することはなかった。


 その為、弱々しいというイメージが学校内の人たちの中では定着していた。


 弱々しいキャラクターであるならば、放課後までイジメられると思えば、わたしに対する返事の仕方で悩むのが普通だろう。


 しかし、よくよく考えていくと、彼女はもともと芯の強いキャラクターなのだ。


 これを機に、逆襲をしてくることも考慮していく必要があると思っている。


 なにせ、これからは、ゲームを逸脱したルートに入るのだ。


 予想外のことがどんどん発生してくる可能性もあると思う。


 わたしは、いろいろなパターンを想定しながら、放課後を迎えた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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