第三十三話 侍女との話
「それで、わたしは、今日から新しく生まれ変わろうと決心したの。そうなると、まずは、わたしが十二歳の頃から、侍女になってもらっているドディアーヌさんに対する態度を改めなければならないと思った。いや、その前に、あなたに謝らなければいけない。あなたに対して、今までのわたしはわがままなことをいろいろ言い過ぎたし、酷い態度も取り過ぎたと思っている。ごめんなさい。ドディアーヌさん」
わたしはそう言った後、頭を下げた。
ドディアーヌさんは、驚いて、
「クラデンティーヌ様、頭をお上げください。わたしには、今のお言葉で十分です。わたしのようなものを気づかっていただいて、ありがたいと思っていますし、もったいないことだと思っております。わたしこそ、力がいつも足りなくて申し訳なく思っています」
と言うと、涙を流し始めた。
こんなにもわたしのことを思ってくれる女性のことを今までのわたしは酷い目に合わせていたのだ。
転生のことを思い出したからには、大切にしていきたい。
「ドディアーヌさん、いつもわたしのことを思ってくれてありがとう。これからのわたしは、あなたのことを大切にする。そのことを約束します」
「なんとやさしいお言葉……。このドディアーヌ、心を入れ替えて、クラデンティーヌ様にご奉仕いたします」
ドディアーヌさんは、とめどなく流れる涙の中で、そう言った。
「ありがとう。これからは、あなたに相談をすることもあると思います。どうか、力になってください」
わたしはドディアーヌさんの手を握った。
「こちらこそありがとうございます。クラデンティーヌ様のお力になれるよう、一生懸命努力をさせていただきます」
「よろしくお願いします」
わたしたちは、しばらくの間、手を握り合うのだった。
こうしてドディアーヌさんと心を通じ合わせた後、わたしは、侍医のディディネさんにも今までの治療のお礼をするとともに、失礼をしてきたことを詫びた。
ディディネさんも驚いていたのだけれど、わたしが心を入れ替えたということについては、理解をしてもらうことができた。
わたしは、ディディネさんの言う通り。その後合わせて三日間静養した。
その間に、これからの人生の計画を立てた。
今までのような傲慢な態度は捨て、心を穏やかにして、心から人々にやさしく接するように心がける。
そして、マクシノール殿下との婚約を維持し、結婚していくことを目標とする
それにはマクシノール殿下への想いをもっと熱いものにしていく必要がある。
今でもマクシノール殿下のことは好きだし、あこがれてはいるものの、恋愛という面では想いが弱い。
マクシノール殿下のことを、一時でも離れたくなくなるほどの好きな想いが自然に湧き出してくる必要がある。
一生懸命努力をしても破棄された場合は、公爵家に戻り、どういう道のりを進むにしても、最終的にはスローライフを目指していく。
これからの人生は、その計画に沿う形で進めていきたい。
次は学校にいる人たちの認識を変えてもらわなくてはならない。
今まで、わがままのし放題だったわたしが、その姿勢を全くと言っていいほど変えるのだ。
理解をされるまでは、一人ぼっちになってしまうことも予想される。
しかし、それを乗り越えなければ、新しい人生も開けてはこない。
わたしは、どんな困難があろうとも、心の底からやさしく人々に接していこうと固く決意をするのだった。
「面白い」
「続きが気になる。続きを読みたい」
と思っていただきましたら、
下にあります☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に思っていただいた気持ちで、もちろん大丈夫です。
ブックマークもいただけるとうれしいです。
よろしくお願いいたします。




