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第三十話 これからの方針

 ディディネさんとドディアーヌさんが部屋を去った後。わたしは、これからの生き方について、本格的に検討を始めていた。


 ディディネさんは、今日を入れて二日間、静養が必要だと言っていた。この三日間で、これからの人生の方針を決めなければならない。


 それは、困難なことだろう。


 しかし、わたしにはもう時間がない。


 できることからやっていくしかない。


 まずは、学校内でもイメージを変える。


 次に登校してからは、今までの自分とは全く違う自分になって、人と接していく。


 今、侯爵家令嬢の取り巻きを二人ほど抱えているのだけれど、この人たちが新しいわたしに付き合ってくれるのであれば、取り巻きとしてではなく、対等の人間どうしとして付き合う。


 もし、それでわたしとの縁を切るというのならば、それはそれで仕方がない。


 そうして地盤を固め始めたところで、次はセリラーヌさんとの和解。


 いや、和解というよりも、わたしはセリラーヌさんに今までのことを謝らなければならない。


 それも心の底から。


 一度では多分、今までたまっていた憤懣があるだろうから、許してもらうことはないだろう。


 何度でも謝るしかない。


 それだけの酷いことをわたしはしてしまっているのだ。


 そして、コルヴィシャルデ公爵家の立て直しを行わなければならない。


 わたしは公爵家の当主になってから、贅沢三昧をしてきた。


 豪華なドレスを購入し、それを着こなす。


 豪華な食事を作ってもらい、それに舌鼓を打つ。


 そして、高価な宝石を購入しまくり、それを身につけたり、自分の部屋に飾ったりする。


 王室の方々よりも、よほど贅沢をしている気がしていたし、周囲の評判もそうだった。


 豪華なドレスを着て、高価な宝石を身につけて、舞踏会に出席したので、出席者たちは唖然とした表情になるのがいつものことだった。


 その度に、わたしは優越感に浸っていた。


 それがなによりわたしとしては、生きがいを感じるものだった。


 しかし、このような贅沢は、普通の税率では賄うことはできない。


 たたでさえ、コルヴィシャルデ公爵家の財政は赤字になっている。


 この状況を打開する為に、増税を既に行っていた。


 贅沢をする為には、さらなる増税が必要だった。


 こうして、税率を上げていくと言うことは、領民に重税を課すことになる。


 とはいうものの、定期的な取り立てではすぐに対応ができない為、臨時税の取り立ても行うことにした。


 領民にとっては、こちらの方がより一層厳しい話のようだった。


 まずは、税率を重税前の水準に戻す。


 臨時税については、今取り立てようとしていた分は中止をする。


 これで、領民や公爵家内の反発を抑えていく。


 ただ、一方では、公爵家の財政は、税率を戻した場合、赤字額がどんどん増えることが予想されていた。


 そして、わたしのこの一年の圧政で、領内の活気が急速に失われ始めていた。


 もともとコルヴィシャルデ公爵家は、領域という面では王国内の貴族の中では並ぶものがいない。


 しかし、その割に経済の発展は遅れている。



 貧富の差も激しい。


 わたしは、マクシノール殿下の婚約者であると同時に、公爵家当主でもあるので、領内の改善もしていく必要が本来あった。


 圧政で領民を苦しめている場合ではなかったのだ。


 わたしは次の休日までに、公爵家の立て直しの概略案をまとめ、公爵家の領地にいる家臣たちを呼んで協議をすることにした。


 こうしてある程度地盤を固めたところで、マクシノール殿下と腹を割って話をする。


 後一か月近く先の話になるのだけれど、わたしはマクシノール殿下に謁見をする機会があるので、そこでは、今までのように形式的な話をするのではなく、わがままで傲慢な態度を取ってきたことを反省していると伝える。


 そして、新たなわたしをマクシノール殿下に受け入れてもらうのだ。


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