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第二十五話 わたしの出発点の人生

 わたしはコルヴィシャルデ公爵家令嬢クラデンティーヌ。


 先程までは眠っていた。


 朝になった今、目が覚めたところだ。


 昨日の夕方からずっと寝ていたことになる。


 三日前から熱を出して寝込んでいた。


 苦しかった。


 今は熱も下がり、体力は少しずつ戻りつつある。


 しかし、病気との戦いで、わたしの気力の方も弱まっていた。


 こちらの方は戻ってきていない。


 わたしは、ベッドの中でくつろぎ、気力も回復させようとしていた。


 すると……。


 わたしの心の中に、転生の記憶が流れ込んできた。


 今まで経験したことのない、ものすごい量だ。


 それにしても、情報量が多すぎる。


 そして、衝撃的すぎる。


 これはいったいどういうことなの?


「病弱な女性」


 この言葉が心に浮かんでくるような記憶が最初に流れ込んできた後、


「婚約破棄」


「贅沢」


「処断」


 という言葉が心に浮かんでくるような記憶が流れ込んでくる。


 それが終わると、今度は、


「幼馴染」


「浮気」


「壊れてしまった心と体」


 という言葉が心に浮かんでくるような記憶も流れ込んできた。


 これを全部わたしが経験したことだとすると、ずいぶんと悲惨な人生を送ったことになる。


 心の整理ができない。


 しかし、それでも心の整理をしなければならない。


 このままでは心が壊れてしまう気がする。


 それは避けなければならない。


 ベッドに横になったまま、わたしは一生懸命心の整理をしていった。




 わたしの人生の出発点は、日本だった。


 もしかすると、それ以前も転生しているのかもしれない。


 しかし、今回記憶が流れてきたのはそこからだった。


 わたしは普通の女性としてそこでは生きていた。


 名前は、春倉はるくらもりの。


 でも残念ながら病弱だった。


 幼い頃からよく入院をしていた。


 同年代の女子たちが恋人を作っていく中、わたしは一度も男子と付き合ったことがなかっただけでなく、告白もされることはなかった。


 わたしの評判自体は、そんなに悪くはなかった。


 少なくとも性格が悪いというようなことは言われてなかったように思う。


 わたしのことをかわいいと思ってくれる男子もそれなりに存在していたと聞いていた。


 そして、男子の中での人気もそれなりにあるように聞いていて、


「春倉さんのことが好きな男子は何人かいるよ」


 と言ってくれた友達もいた。


 でも病弱だということで、恋人にするというところでは敬遠されてしまったのだろう。


 わたしが男子の立場に立ったとしても、そう思ってしまうと思う。


 わたしの方も、好意を持つ男子がいないわけではなかった。


 しかし、自分が病弱で、そういう人間に告白されたら迷惑だろうと思う心が常にあり、持っていた好意が恋に変化することを自制してきた。


 恋人を作ることができなかったのは、仕方のないことだったと思う。


 それでも一度くらいは、告白されるか、もしくはこちらから告白をして、恋人どうしになり、デートをしたかった。


 そういうことに強いあこがれを持っていた。


 わたしは、このように評判は決して悪くはなかったものの、病弱だった為、恋人を作ることはできなかったので、乙女ゲームにのめりこんでいった。


 ゲームの世界で恋愛をして、推しを作る。


 それがわたしの生きがいになっていた。


 そして、いつしか、そのゲームの中に入って、推しと恋愛をし、そして結婚したいという願望を持つようになっていた。


 もちろんかなわぬ願いだとは思っていたのだけれど……。


 わたしの病状は、高校二年生になると悪化し、そのまま良くなることはなかった。


 そして、その年の九月。


 両親が悲しむ中、わたしはこの世を去った。


 この世を去る時は、来世というものがあるかどうかはわかっていなかったのだけれど、


「来世では、好きな男性とラブラブになって結婚したい」


 と強く願っていた。


「面白い」


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