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第二十三話 もう一度夫婦の仲を構築したいわたし

 オルリドさんは、もうグレゴノール殿下の心はわたしのものだと思っているのだろう。


 それにしても、グレゴノール殿下とオルリドさんの仲は、なぜ、ここまで深まってきたのだろうか? 


 よくわからない。


 いきなりグレゴノール殿下に「恋人」ができたと言われて、腹が立ったわたし。


 でも、少し冷静になる必要があった。


 グレゴノール殿下とオルリドさんが仲良くなった経緯をまず聞かなくてはならない。


「グレゴノール殿下、一つ伺いたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」


「なんだい?」


 なんだか軽い調子のように思えて、そこでも腹が立ってくる。


「オルリドさんとはどういう経緯で仲良くなったのでしょうか?」


 わたしがそう言うと、グレゴノール殿下は、


「よくぞ聞いてくれたね」


 と言った後、話をし始めた。


 内容はこうだった。


 オルリドさんは、学校で優秀な成績をおさめていた。


 そこで、プロジェクトチームの一員に抜擢されることになった。


 グレゴノール殿下はオルリドさんの能力が想像以上に優れていることをすぐさま認識した。


 そして、その片腕として彼女を自分の直属の部下として抜擢した。


 それとともに。プロジェクトチームの方もその一員として一緒に推進していく。


 一緒に仕事をしていく内に、二人の間に好意が生まれていった。


 グレゴノール殿下が言うには、


「オルリドさんは地味で、あなたのようなゴ-ジャスさを持っているわけではない。でも、その地味さが気に入った」


 とのことだ。


 わたしと結婚してからしばらくは、進展がなかったが、今年の四月以降は加速度的に関係が深まっていった。


 積極的だったのはオルリドさんの方で、グレゴノール殿下の方は、わたしがいるので躊躇していた。


 七月にグレゴノール殿下がプロジェクト推進の一環として、領内の状況を把握する為の調査を行ったのだけれど、オルリドさんはそのメンバーの一員だった。


 その時。ついにグレゴノール殿下はオルリドさんに押し切られて、二人だけの世界に入ってしまった。


 それからは、グレゴノール殿下もオルリドさんに夢中になっていく。


 その後も調査をする度に二人だけの世界に入っていったのはもちろんのこと、王宮でも仕事が終わった後、少し時間を使って、逢瀬を楽しんでいたようだ。


 わたしとグレゴノール殿下がますます二人だけの世界に入らなくなった頃だ。


 そして、わたしたちの方は、月一回にまで回数が減ってしまう。


 わたしはその理由が、浮気によるものだとは、全く理解をしていなかった。


 わたしはグレゴノール殿下を信じていたのに、浮気をされ、裏切られてしまったのだ。


「俺は今でもレデシアーヌさんのことは好きだ。でも、ずっと一緒で、しかも入学後五年目の時に恋人どうしの意識になってからは、ずっと束縛されてきたという思いがあるんだ。それは、最初の内はよかったんだけど、だんだんつらく苦しいものに変わっていった。そして、最近は嫌だと思うようにもなってきたんだ。その点オルリドさんは俺のことを束縛しようとしない、今の状態から解放される意味でも、オルリドさんを恋人として、そして第二夫人として認めてほしい」


 グレゴノール殿下は、話の最後をそう言って結んだ。


 もっともらしいことを言っているようにも思える。


 しかし、結局は、浮気したことを認めてほしいと言っているだけだ。


 わたしはしばらくの間黙っていた。


 やがて、


「グレゴノール殿下は、オルリドさんと別れて、とわたしが言ったら別れてくれるのでしょうか? わたしのこと、今でも好きなのでしょう? わたしは今でもグレゴノール殿下のことが好きです。わたしはもう一度、グレゴノール殿下と二人だけでやり直したい」


 と言った。


 わたしとしては、それにうなずいてもらい、もう一回夫婦関係を構築し直していきたかった。


 そして、これで逆転勝利を狙うつもりだった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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