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第十八話 グレゴノール殿下とのダンス

 わたしがグレゴノール殿下のそばにいる時間が増えていかないことは、少しずつわたしの心にダメージを与え始めていた。


 そういう状態が五か月ほど続いていた。


 九月のある日。


 わたしはグレゴノール殿下の婚約者として、王室が主催する舞踏会に出席をするように要請をされた。

 毎年定期的に行われている舞踏会の一つだ。


 わたしは、今まで出席したことはなかった。


 グレゴノール殿下は、公務の一つなので毎回出席をしている。


 貴族令嬢が多く参加するので、グレゴノール殿下の婚約者という立場のわたしは、とにかく気をつかわなければならない。


 本音を言うと、それほど参加したいとは思わないのだけれど、出席しないわけにはいかない。


 ただ、一つだけいいこともある。


 それは、グレゴノール殿下とダンスができること。


 グレゴノール殿下のそばにいる機会が増えていかないわたしにとっては、救いとも言える話だった。


 そして、舞踏会当日。


 着飾った貴族令嬢たちが、たくさん出席していた。


 わたしも、グレゴノール殿下の婚約者の名に恥じぬように、きれいなドレスを着ている。


 貴族令嬢たちは、この時とばかりグレゴノール殿下へと群がっていく。


 あわよくばここでグレゴノール殿下と仲良くなり、「第二夫人」への足掛かりを得たいと思っているように思う。


 多分、今までもそうだったのだろう。


 美しい女性にこうして言い寄られれば。心を動かされてもおかしくないと思う。


 よくこの攻勢に耐えてこられてきたと思う。


 わたしは改めて、わたし一筋でいてくれるグレゴノール殿下のことが好きになる。


 ただ、わたしに対しては冷ややかな態度を取る令嬢は多かった。


「わたしの方があなたよりも美しいのよ」


「わたしこそお妃にふさわしいと今でも思っているのよ」


 と嫌味を言ってくる人もいる。


 わたしに対して嫉妬をしている人は多そうだ。


 こういう雰囲気だったので、決して、わたしにとっては居心地のいいところではなかった。


 しかし、ノディナーヌさんがその婚約者と一緒に来てくれたので、その点では救われた。


 二人は、息の合ったダンスを披露する。


 そのダンスに感動したわたしは、ダンス終了後、


「素敵だったよ、ノディナーヌさん」


 とノディナーヌさんをほめたたえた。


「ありがとう、レデシアーヌさんもグレゴノール殿下とのダンス、期待するよ」


「期待に応えるよう、一生懸命踊るね」


 わたしとグレゴノール殿下もその後、ダンスを披露した。


 舞踏会でダンスをすることは、王太子・王太子妃としてのたしなみ。


 わたしは、幼い頃から、王宮に招かれた時は、ダンスの練習をグレゴノール殿下としていた。


 毎回の時間はそれほど長くなかったが、厳しい指導だった。


 でもそのおかげで、グレゴノール殿下とは息がぴったり合っていると指導した先生に評価されるまでになっていた。


 ここのところ、練習する機会は減ってはいたものの、幼い頃から一緒に練習してきたことは、こうして財産になっている。


 グレゴノール殿下は、ダンスが始まる前、


「こうしてレデシアーヌさんと、大勢の前でダンスができるのはとてもうれしいです」


 と言ってくれていた。


 わたしは、その言葉に対し、


「グレゴノール殿下とこうして舞踏会でダンスをすることができて、うれしいです」


 と応えた。


 お互い、リラックスした気分でダンスを披露していく。


 ダンスが終わった後、微笑み合うわたしたち。


 いいダンスができたと思う。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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