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第十四話 相思相愛になっていくわたしたち

 わたしは、グレゴノール殿下にその想いを伝えた。


「レデシアーヌさん……」


 グレゴノール殿下は少し困惑の表情をする。


「この想い、受け入れていただけるとありがたいと思っています」


 グレゴノール殿下もわたしのことが好きなはずだから、この想い受け入れてくれるはず。


 そう思うのだけれど、グレゴノール殿下が困惑気味の表情をなかなか変えないので、少し自信がなくなり始める。


「わたしはこれから、グレゴノール殿下と、今までのような幼馴染としてではなくて、恋人どうしとして、一緒に生きていきたいと思っています。」


 わたしは一生懸命グレゴノール殿下にその想いを伝えていく。


 やがて、グレゴノール殿下は、


「レデシアーヌさんの想いはよくわかった。受け入れるよ、レデシアーヌさんの想いを」


 と少し恥ずかしそうに言った。


「わたしと恋人どうしとして、付き合っていただけることでよろしいのですね?」


「もちろんだ。今まで通り婚約者どうしとして、そして、これからは恋人どうしとしての位置づけを加えて、一緒に生きていこう」


 顔を赤くしながら言うグレゴノール殿下。


 グレゴノール殿下がわたしと付き合ってくれる。


 わたしはうれしくて涙を流し始めた。


「ありがとう、グレゴノール殿下。うれしいです……」


 わたしたちは手を握り合う。


 今までもグレゴノール殿下の手を握ったことは、幼い頃から何度もある。


 しかし、恋人どうしになる前と後では、全然違う。


 胸のドキドキが大きくなって、苦しい。


「夏休み前に、レデシアーヌさんと、一旦疎遠になろうと言ったのは、わたし自身、レデシアーヌさんのことをどういう位置付けにしたいのかわからなくなっていたからなんだ。わたしの中にレデシアーヌさんへの恋する心は、生まれる寸前まではいたんだけど、幼馴染としての意識が強すぎて、その殻を破ることはできていなかった。それで、これではどうにもならないと思って、そういう申し出をさせてもらったんだ。そうしたら、レデシアーヌさんへの恋する心がだんだん成長してきて、このままいけば、レデシアーヌさんにその想いを伝えることができそうなところまで来ていたんだ」


「でも、ルネリーヌさんと仲良くしていたんじゃ……」


「わたしはルネリーヌさんと仲良くしていた。でもそれは友達として、同じクラスの仲間としてのことだ。恋の対象としてではないよ」


 グレゴノール殿下はそう言うと、苦笑いをした。


 グレゴノール殿下は、わたしと付き合うと言ってくれている。


 ルネリーヌさんとの仲も、「友達」で、「恋の対象ではない」と言ってくれている。


 もうルネリーヌさんのことで悩むことはない。


 これからのわたしは、グレゴノール殿下とは。婚約者どうしであり恋人どうしになる。


 そう思うと、喜びで一杯だ。


 こうなると、もう一つ先の段階に進みたくなる。


 そうすれば、グレゴノール殿下は、わたしから離れたくなるはずだ。


 できれば、恋人として最高の段階の一つまで進みたい気持ちはある。


 そうすれば、なおさら二人の関係は盤石なものになっていくだろう。


 わたしはそう思ってきて、強烈な恥ずかしさに襲われた。


 まだ恋人どうしという位置付けになったばかりなのに、わたしの方からそれを求めたら、嫌われてしまうのでは……。


 どうも幼い頃からグレゴノール殿下はそういった方面での淡泊さを感じる。


 多分、心の準備はできていないと思われる。


 とは言いつつも、わたしの方もまだ心の準備はできていないのだけど……。


 でも手をつないで終わりでは、これからルネリーヌさんに心が動かされる可能性がある。


 ルネリーヌさんという女子は、それほど魅力的な人なのだ。


 わたしがそう思っていると、グレゴノール殿下は、


「わたしはレデシアーヌさんのことが好きだ。ただの幼馴染ではなく、恋人として」


 と恥ずかしがりながら言ってきた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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