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第十三話 幼馴染の殿下へ想いを伝える

 九月下旬の休日。


 わたしは久しぶりに王宮でグレゴノール殿下に会えることになった。


 わたしの中では、グレゴノール殿下への想いがどんどん高まってきている。


 わたしは、この際、グレゴノール殿下に今の想いを伝えることにした。


 もうすっかり秋になっていた。


 きれいな青空ときれいな空気。


 そして、柔らかくなってきた陽射し。


 王宮の庭で、わたしたちは紅茶を飲んでいる。


 今日のわたしは、ノディナーヌさんのアドバイスもあり、いつもと少し変えた形のおしゃれをしてきている。


 これで、グレゴノール殿下の心を少しでも動かすことができるといいんだけれど。


「レデシアーヌさん、今日はわたしに話したいことがあるんだよね」


 グレゴノール殿下は少し戸惑っているようだ。


 わたしの想いには気がついていないように思う。


 この状態でわたしが、


「わたしは殿下に恋しています。愛しています。幼馴染としてではなく、形だけの婚約者としてでもなく、恋人どうしとしてこれからは過ごしていきたいです」


 と言って受け入れてもらえるのだろうか?


 そういう冷たい思いがわたしの心の中に浮かんでくる。


 しかし、ここで躊躇したら、グレゴノール殿下はルネリーヌさんのものになってしまう可能性がある。

 胸のドキドキがだんだん大きくなってくる。


 恥ずかしさも増してくる。


 でも、わたしはここでグレゴノール殿下に話をしなければならない。


 わたしは心を整えた後、


「わたしは今まで、グレゴノール殿下のことは、婚約者であると同時に、大切な幼馴染だと思ってきました。好きだと思っていました。でも恋する対象と思うことはなかなかできませんでした。でも夏休み前にグレゴノール殿下からの申し出で疎遠になってから、グレゴノール殿下との関係についていろいろ悩みました。婚約者とはいっても、お互いが幼馴染の意識のままだと、形式的な結婚になってしまうという話は伺っておりました。形式的な結婚になってしまったら、お互いつらい思いをすることになりますし、後継者も残せなくなるかもしれません。グレゴノール殿下がどう思われているかはわかりません。でもわたしはこの夏休みの間で、グレゴノール殿下と一緒にいない生活が虚しいものだということがよくわかりました。それと同時に、グレゴノール殿下に対する恋する心が沸き上がってくるようになってきました。そして、最近、ルネリーヌさんとの噂がわたしの耳にも聞こえてきました。このままでは、グレゴノール殿下が取られてしまう……。そう思ったわたしは、グレゴノール殿下にわたしの想いを伝えるしかないと思いました」


 と言うと、一回言葉を切った。


 そして、もう一度心を整えると、


「わたしはグレゴノール殿下に恋しています。愛しています。幼馴染としてではなく、形だけの婚約者としてでもなく、恋人どうしとしてこれからは過ごしていきたいです」


 と言って頭を下げた。


 ついにこの言葉を言うことができた。


 ホッとするとともに、恥ずかしい気持ちになる。


 グレゴノール殿下は驚き、しばしの間呆然をしていた。


 どういう返事がくるだろうか?


 いい返事がほしい!


 わたしの心は急激に沸き立ってくる。


 やがて、グレゴノール殿下は、心を整えると、


「レデシアーヌさん、ありがとう。わたしに想いを伝えてくれて。でも信じられない気持ちだ。レデシアーヌさんがわたしに恋をしてくれたなんて……」


 と言った。


「わたしも夏休み前までは、幼馴染以上の想いを持つことはできませんでした。でも今は違います。グレゴノール殿下が恋の対象として好きです」


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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