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第十二話 ライバル登場

 ノディナーヌさんも、婚約者と両想いになってからは、より一層おしゃれに気をつかうようになったようで、今日もセンスのいいドレスを着てきていて、


「さすがノディナーヌさんだね。素敵だわ」


 とわたしは彼女のことを褒めた。


 おしゃれの点でも情報交換をすることができたのはよかったと思う。


 わたしはおしゃれの点でも自分を磨いていき、グレゴノール殿下をメロメロにしていく。


 そして、わたしたちは恋人どうしになっていくのだ。


 わたしはそう思っている内に、恥ずかしくなってきた。


 グレゴノール殿下と幼馴染というところから脱皮のできないわたしが、なぜそういうことを思ってしまうのだろう。


 わたしはまだ、グレゴノール殿下と幼馴染の状態のままでいたいという気持ちが強いと言うのに……。


 自分でも自分の気持ちはよくわからないところはあった。


 わたしは、この夏休み、王太子妃にふさわしい女性になる為に、一生懸命努力をしてきた。


 そして、教養をさらに身につけることが必要だと思い、小説もたくさん読んでいた。


 もともと恋愛小説が好きだったのだけれど、この夏休みはグレゴノール殿下と会うことができなかったので、なおさら読む量が増えた。


 これだけ本を読んだのは、教養を身につけようと思ったことが一番だった。


 それとともに、心の寂しさをまぎらわせようとしたのと、これからのグレゴノール殿下との付き合い方の指針にして行こうと思ったということもあった。


 恋愛小説を読んでいる内に、小説の中のキャラクターにのめり込んでいく。


 推しのキャラクターができるようになった。


 それだけではない。


 小説内での様々な恋愛を読み込むことによって、グレゴノール殿下への恋する心が、わたしの中で次第に育ち始めていた。


 これは、わたしとしても想定外のことだった。

 こうして、グレゴノール殿下と会うことはできなかったのだけれど、充実していた夏休みは終わった。


 九月になり、また学校が始まると、グレゴノール殿下への想いは膨らみつつあったが、それでもまだまだ恋ところまでは到達していなかった。


 しかし、やがて、そんなことは言っていられなくなってきた。


 グレゴノール殿下は、同じクラスのブドンデリックス公爵家令嬢ルネリーヌさんと急速に接近し出したという噂が耳に入ってきたのだ。


 おしゃべりをすることが増えてきていて、意気投合してきているらしい。


 美人ということで、男子の間の人気はもともとあったのだけれど、最近ますます美しさに磨きがかかってきたことで、人気はどんどん上がってきている。


 家柄も、わたしの公爵家と遜色はない。


 ノディナーヌさんも、


「まだグレゴノール殿下とルネリーヌさんはおしゃべりをする程度の仲。でも、このままだと、グレゴノール殿下は、ルネリーヌさんに心を奪われてしまい、ルネリーヌさんを『第二夫人』にするかもしれない。いや、家柄もいいから、レデシアーヌさんを押しのけて、正妃になってしまう可能性だってある」


 と心配してくれていた。


 今までは、グレゴノール殿下が他の女子とおしゃべりをしていたとしても、そこまでは気にすることはなかったわたし。


 しかし、グレゴノール殿下に恋をし始めているわたしは、


「この人にグレゴノール殿下は奪われたくない!」


「グレゴノール殿下と恋人どうしになりたい!」


 という気持ちが、心の中で急激に高まってきていた。


 それは、わたし自身でも、戸惑うぐらいの心の変化だった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


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