村にいこう
俺は謎の娘と村に向かった。
そういえば俺はこの娘の名前を知らない。
俺は名前を聞いてみることにした。
「そういえばお前名前なんていうんだ?」
「私の名前ですか?そういえば自己紹介をしていませんでしたね。私の名前はルーシカって言います。あなたの名前は何と言うのですか?」
そういえば俺も自己紹介をしていなかった。
「俺の名前は尾形健一。プロレスラーだ。」
俺の自己紹介を聞くとルーシカは不思議そうな顔をしていた。
「ケンイチさん?不思議な名前ですね。ところでケンイチさんプロレスラーってなんの職業ですか?」
健一という名はそこら中にあふれている気がするが、ここは外国なのだろうか。
そもそもプロレスラーという職業は例えプロレスを見たことない人でも名前ぐらいは聞いたことがあるはずだ。
やはり、羽が生えたイノシシや金髪美少女がいる感じここは異世界ってやつなのだろうか。
「ま、まぁプロレスラーっていうのは俺の先祖から伝わる格闘技っていうか...まぁそんな感じだ」
「へ、へぇ...」
どうやら上手く伝わらなかったようだ。
まぁ仕方ない。
俺はそう自分に言い聞かせ、ルーシカについていった。
なんだかんだルーシカと雑談しながらついていくと、どうやら村についたようだ。
「つきました!!ここが私の村!!ブクロ村です!!」
「ル、ルーシカ...ここって...」
そこに広がっていたのはもはや村とは呼べないほど崩壊していた。
ほとんどの家の屋根が半壊状態だった。
村人もほとんど居なさそうだった。
ルーシカは苦笑いしながらいった。
「ごめんなさいケンイチさん。こんな汚い村で...でも最大限のおもてなしはさせてもらうつもりなのでゆっくりしていってください」
「あ、ああ」
俺はこう言うしかなかった。
今日は夜が遅いということでルーシカが家に泊めてくれた。
彼女の家はお世辞にも豪華とは言えないがそれでも野宿するよりはましだ。
俺はルーシカに感謝した。
家ではルーシカがイノシシもどきを調理してくれた。
ルーシカが作る飯は味付けは抜群に最高だった。
何というか、塩加減とハーブのコントラストというのだろうかとにかく最高だった。
飯を食べているとルーシカは深刻そうな顔をしていた。
きっとこの年齢の女の子なのだからいろいろあるのだろう。
ここは住む世界が違えど人生の先輩として話を聞いてあげよう。
「なぁルーシカどうしたんだ?」
「はい...その...この先この村はそうしていけばいいのかな...と...」
全然年相応の悩みではなかった。
むしろ、この年齢で考えることではない。
俺がこの年齢のころはまだ道場に入門したてのころで毎日筋肉のことと、どうやってプロレスが強くなるかしか考えてなかった。
にしてもなんでこの村はこんなに崩壊しているのだろうか。
そんなことを考えているとルーシカがなぜこの村がこんな状態なのか説明し始めた。
「この村はもともと農業で栄えてた村なんです。村人たちは畑でとれた野菜を売って生活していました。でもある時、空から赤い竜と一緒に布をがぶった男が落ちてきたんです。竜と男との戦いは激しいものでした。その結果ここは野菜に被害がでて農民が何人も居なくなりました。私も何度か野菜作りに挑戦しましたんですけど...あの戦い以降野菜が育たなくて...」
なるほど、大体理解した。
にしてもやはり竜なんかが居るということはやはりここは異世界というやつなのだろうか。
俺は改めてそのことを実感した。
今の俺はルーシカに寝床や食材は俺があげたとはいえ、うまい飯まで作ってもらった。
このままルーシカの村が完全になくなってルーシカが路頭に迷うのは目覚めが悪い。
俺はルーシカに提案してみることにした。
「なぁルーシカ...もし君がいいのなら俺がこの村に住んでもいいか?多分この村の防衛と狩りぐらいしかできないが...」
ルーシカはとても驚いた顔をしていた。
当然だろう、なんせよくわからない男がいきなり村に住みたいと言っているんのだから。
しかし、帰ってきた答えは思っていたのと違った。
「ほ、本当にいいのですか?本当にこの村に住んでくれるのですか?」
「あ、ああ」
どうやら喜んでいるようだ。
何なら、なぜか泣いている。
「うれしいです...っう...この村に住んでくれるなんて」
やめてくれ、おれはやっぱり女の涙には弱いのだ。
それでも喜んでくれて良かった。
「これからよろしくな!!」
「はい!!」
俺はルーシカと握手を交わした。
こうして、おれはこのブクロ村に住むことになった。
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