プロレスラー 人に会う
どうやら、ここは森のようだ。
だが、俺はさっきまでリングに居たはずだが。
まさか、これは何かのドッキリなのか?
なぜか服は着ている。
「とりあえず辺りを歩いてみるか…」
俺は森の中を歩き回ってみた。
少し歩いてみると、森には角が生えた鳥や、やたらデカい亀がいた。
「なんだここは…まるでジェ〇シックパークじゃねえか…」
さすがにドッキリにしてはやりすぎている。
そうこうしているうちに日が落ちてきた。
「おいおいめちゃくちゃ寒いじゃねえか…これまさかあれか?火を起こせってやつか?」
だが俺は火の起こし方はよく知らない。
昔テレビで見たサバイバルバラエティーでやってた木の棒をぐるぐるすればいいのだろうか。
俺は物は試しだと木の棒を回してみた。
すると思ったよりすんなり火がついた。
「おぉーなんだよやれば出来るじゃん〜」
今日はもう疲れたので俺は火の近くで寝ることにした。
しかし、腹が減ったので明日は狩りもやってみようと思った。
翌朝、俺は狩りをすることにした。
だが、1つ問題があった。
狩りの仕方がわからない。
「狩りってどうやってやるんだ?」
そういえば、昔アメリカ出身のダイヤモンドキラーっていうプロレスラーが言ってた気がする。
「俺は牧場出身なんだけどよ~アメリカ人の暴れた牛の対処法は牛の背中に何とかして乗って牛にチョークスリーパー(頸動脈を占める技)をキメて獲物をおとなしくさせるんだぜ!!」
当時の俺は絶対嘘だと思った。
今でも思っている。
だが、武器もない今、俺にはこうすることしか思いつかなかった。
「まぁこれしか方法ないしなぁ...やってみるか...」
俺は森にいる翼が生えたイノシシもどきを狙いに定めた。
イノシシもどきは羽は生えているが、どうやら飛べないらしい。
「何のための羽だよ....」
俺がイノシシもどきに近づくと奴は俺に向かって猛突進してきた。
"ドドドドドドドドド"
「やべぇ!!」
俺は突進を回避すると、奴はでっかい岩にぶつかった。
イノシシもどきの牙はどうやら岩に食い込んで抜けないらしい。
俺はイノシシもどきの背中に飛び乗り、奴の首にチョークスリーパーをキめた。
「頼むからこのまま落ちてくれ!!」
"うおぉぉぉぉぉ"
イノシシもどきはまだ暴れている。
だが、おれは腕のロックをがっちりキメ奴の首から腕を離さなかった。
さすがのイノシシもどきも、動きが鈍くなってきた。
「落ちろ!!」
ついにイノシシもどきの動きが止まった。
今日の飯が決まったぜ。
俺はこのままイノシシの下処理をして、丸焼きにして食ってみた。
「んんん...なんだか獣くさいな...北海道で食ったクマ肉みたいだ」
だが、食えるだけでもまだありがたい。
なんだかんだ久しぶりに肉という肉を食べた気がする。
"ガサゴソガサゴソ"
向こうの茂みから人の気配がする。
もし盗賊とかなら潰すだけだ。
人ならまだ何とかなる。
「おい、そこに誰かいるのはわかってんだぜ?」
茂みの中から出てきたのは17歳ぐらいの金髪三つ編みロングヘアーの少女が出てきた。
服が汚れている。
どうやら、それなりに苦労してるようだ。
だが、気を抜くのは早い俺は少し警戒しながら聞いてみた。
「何の用だ?」
「す、すみません...どうか私にお肉を恵んではもらえないでしょうか?わ、私狩りをしていて...
でも、全然狩れなくて...このままじゃ村のみんなが飢えて死んじゃう...」
おいおい確かに訳ありだとは思ったがここまでシビアだどは思わなかったぜ。
だけど、これをあげちまったら俺だって死活問題だ。
「...うっ..うっ...」
おいおい泣くなよ。
俺は女の涙には弱いんだ。
仕方ねぇ分けてやるか。
「わかった!!分かったから...泣くな」
「あ、ありがとうございます!!」
俺は肉を何グラムか分け与えた。
「じゃあな!」
俺は、娘に手を振ってその場を去ろうとした。
その時、俺の腕を娘が掴んだ。
「おいおいまだ何かあるのか?」
「待ってください!!せめて何かお礼でも!!」
「お礼って言われたって俺は肉をあげただけだぜ」
こういうときはクールに去るべきだって超日本プロレス1のモテ男武田義信が言っていた。
「いやでも!!お願いします!!せめて村に来てください!!」
「...っう」
また泣かれた。
だから俺は女の涙には弱いんだよ...。
でも確かに、俺もこのままじゃいつ死んでもおかしくない。
そもそもこの世界についても全く知らない。
仕方ない、情報収集のためにも村にいくか。
こうして俺は謎の娘の村に向かうことにした。
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