#06 幼馴染とギャル軍団
放課後になると、メグっちが俺の席までやって来た。
「ノリオー、行くよー」
「ったく、本当は月野さんとラブラブデートの予定だったのに、邪魔しやがって。 まったく困った幼馴染だぜ」
「いや、ノリオふつーに断られてたし!!!フジコちゃん部活あるからムリって言ってたし!!!」
「はいはい、そんなに俺とお出かけしたかったんだな。わかったわかった、みなまで言うな。 俺とメグっちの仲じゃないか」
「いや、ノリオとメグの仲とかいーながら、メグのいーたいこと1ミリも分かってねーし!」
そう言いながらもメグっちは、俺の腕を掴んで引っ張る様に教室を出た。
グイグイ進むメグっちのツメが腕に喰いこんで痛い。
「メグっち、ツメが喰いこんで痛い。 あんまりツメ伸ばす様なら、今度寝ている間に切っちまうぞ?」
「は!?ノリオマジ鬼だし!!!メグの自慢のネイル切るとかゲキヤバ鬼畜だし!!!」
そう言いつつも掴んでいた腕を離して、今度は恋人のように腕を絡ませてきた。
ふっ
今度は恋人気取りか
しょうがない幼馴染だぜ
メグっちは、なんだかんだ言いつつ機嫌は良さそうだ。
豊満な胸を俺の腕にボインボインと押し付けてくる。
そんな俺たち二人のイチャイチャブリは、周囲の他の生徒達の視線を集める。
まったく、ハーレム主人公様の俺とそこまでしてイチャイチャアピールがしたいなんて、こまった幼馴染だぜ
そう
俺は罪作りな男、ノリオ。
校舎を出ると、校庭では運動部の諸君が練習に励んでいる。
窓の空いた音楽室からは、金管楽器によるメロディーが聞こえる。
俺はメグっちに腕を組まれて、まるで恋人の様に歩いて校門に向かう。
二人で歩いていると、後ろからギャル軍団に絡まれた。
「メグっちガチラブまじヤベーし!キャハハハ」
「水ノリ、ちょーウケける!!!」
「水ノリ、アンタまじメグっち大事にしねーと、あーしら黙ってねーかんな? あぁん?」
「ちょ!!! べ、別にガチラブじゃねーし! ノリオなんて弟みてーなもんだし! 捕まえてねーとすぐどっか行ってガチ迷子になるからだし!!!」
このギャル軍団、メグっちの友達なんだが、メグっち以上にギャル訛りが酷くて、何喋ってるのかよく解らん。
そんな時はこう言ってやるのが一番だ。
「みんな、俺の為にケンカをするのは良くないぜ? いくら俺が魅力的で独り占めしたいからって、俺は一人しかいないんだし、みんな仲良くしようぜ」
「「「「リアル水ノリ、マジ半端ねー!!!ちょーウケる!!!ギャハハハ」」」」
「ノリオ、恥ずいからマジやめろし。ノリオの脳みそゲロヤベーことなってるし」
ほら、俺の一言でみんな仲良しだ。
そう
俺は罪作りな男、ノリオ。