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#02 先輩とメインヒロイン




 ツンデレ妹にお尻を蹴られながら、スタスタ先を歩くメグっちを追い駆け校門に到着すると、今日も風紀委員のサクラ先輩が絡んでくる。



「コラ!水元ぉぉぉ! なんでマスクを外している!!!」


 ふっ

 サクラ先輩、朝から俺に会えたからって、相変わらずテンション高いな


「女の子といつでもキス出来るようにじゃないですか、何を今更、ふっ」


「キサマふざけてるのかぁぁぁ!」


「サクラ先輩、そんなに興奮してどうしたんです? まさか・・・そんなに俺とキスしたいんですか? こんな朝っぱらから全くもう」


「なんでそうなる!?」


「まぁまぁ、遅刻しちゃうんで俺、行きますね。ではごきげんよう」


 メグっちとクルミは俺を置いて先に校舎へ行ってしまったので、俺もマスクを装着して後を追いかける。




 木田サクラ先輩は、3年生で風紀委員だ。


 セミショートが似合う綺麗系の美人さんで、正義感の塊のような頼れる先輩。

 姉御肌って言えば判りやすいか。


 そんなサクラ先輩は、後輩である俺のことが余程気になるのかいつも絡んでくる。 毎日毎日飽きずにね。 そんなに俺と絡みたいとか、どれだけ俺のことが好きなんだよって思う。


 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。








 2年2組

 それが俺のクラスだ。


 教室に入ると7割程度のクラスメイト達が既に来ている。


 俺は心の中でクラスメイト達(主に女子生徒)の熱い視線に応えながら自分の席に着く。


 因みに、みんな俺の主人公オーラが畏れ多くて、朝から話かけてくる者は居ない。


 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。





 席に着くと朝の日課がある。


 隣の席のクラスメイトに朝の挨拶だ。


「月野さん、おはよう。 今日も美しい君の笑顔が眩しいよ」


「おはよう、水元くん。 水元くんも朝から相変わらずですね」クスクス


 ふっ

 月野さん、俺に声を掛けられてテレてやがるぜ




 月野フジコさんは、所謂クラスのマドンナ的な存在。


 サラサラな黒髪ストレートロングの似合う正統派の美少女で、成績も優秀なのに、それを鼻にかけることなく誰にでも優しい優等生。

 正にラブコメのメインヒロインって感じの子だ。


 つまり、主人公の俺とメインヒロインの月野さん

 後は分かるな?


 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。




「ちょいノリオ! 朝からフジコちゃんに絡んでキモイって!」


 因みに、2年2組には、俺と月野さん以外に、メグっちも居る。


 ふっ

 俺が月野さんと仲良くなるのが面白くないようだな

 まったくしょうがない幼馴染だぜ


「土田さん、大丈夫ですよ。 水元くんが相変わらずで面白いって話していただけですから」


 おっと

 月野さん、メグっちに遠慮して、俺たちの仲を隠す必要なんてないんだぜ?


「メグっち、俺と月野さんがお似合いのカップルだからって、焼き餅焼くのはみっともないぜ?」


「いやノリオ、そーゆとこよ?キモイってーの!」


「うふふふ、水元くん、ホントに面白いですね」


「いやいやいや、面白いとか甘やかしたらダメっしょ!」


 やれやれ

 俺を巡り、女性たちが争い始めるとは

 俺ってやつは、ホント罪作りな男だぜ


「フジコちゃん、ノリオがキモイときはハッキリ言っちゃっていーかんね!」


「大丈夫ですよ? ちょっと面倒なところはありますけど無害ですから、水元くん」


 おやおや?

 月野さんはもっとワイルドでアクティブな男がお望みかい?


 ってことは、早速デートにでも連れて行って欲しいってことか


 やはりメインヒロインは違うな

 主人公様の気を引こうとしてるんだろうな




「月野さん、メグっちのことなんてほっておいて、今日の放課後デートの相談でもしようか」


「うふふ、私は部活がありますので放課後はお付き合い出来ませんよ? 水元くん、相変わらず面白いですね」


「なーしてフジコちゃんがノリオと放課後デートすることになってるのさ!だいたい、メグの買い物付き合うって昨日約束したっしょ!」


「やれやれ、ホント我儘なメグっちだぜ」


「いや、なんでノリオがメグに憐みの眼差し向けてんの!?」


「うふふ、ホント面白いですね、お二人は」


「フジコちゃんもその慈愛に満ちた眼差しをメグ達に向けるの止めてだし!? 微笑ましい場面じゃねーし!?メグはマトモだし!頭ヤベーのノリオだけだし!!!」



 やれやれ

 俺の為に争うのは止めてくれ、だし。



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