入学式前夜
「終わった……」
なんで、俺は工業高校に入学しないといけないんだ。工業高校と言ったら、男子だらけの恋愛ゼロじゃないか。
「もう、クソ兄貴が決めたことでしょ!」
そう言ったのは、小笠原真央こと小笠原翔太の、妹だ。
真央は、俺と比べてスポーツ完璧、勉強完璧、ルックス完璧、性格(学校でなら)完璧と言った完璧妹なんだ。
「明日入学式なんでしょ?」
「まぁ、そうだが」
「じゃ、早く寝ろよ。クソ兄貴!」
「急に怖いな。おい」
真央は、学校では性格の良いものの家ではクソ怖い、妹になってしまう。これは、どうにか直してほしいところだ。
んな、事よりも明日は地獄の男子オンリー世界になってしまう……
こんな事を考えてしまうと。
「寝れない!」
階段を、降りて下にいくと妹の真央がいた。
獲物を見るような目で、兄を見ていた。
「まだ起きてたの、クソ兄貴」
「まぁな、寝れないんだよ」
「いいからさっさと寝ろよ」
「あの……、でも……」
「言い訳はいいから、寝ろ!」
――そこには兄の姿はなかった。
いや、怖すぎだろ。逃げなきゃもたねぇよ。
階段を登って自分の部屋に戻ると、恐怖のあまりすぐ寝ていた。
「おやすみ」