リヒトという少年
こんのクソッタレー!
という気持ちで書いた作品です。
僕の名前はリヒト。
このアバルトの街の冒険者ギルドで、最下級冒険者として働いてる。
働いてるって言い方には語弊があるかもしれないけど。
最下級冒険者っていうのは、冒険に出れない程実力がない者のことを指す。
まぁ、見習いたい言えば聞こえはいいね。
出来る事といったら、雑用程度。
掃除したり、食事の準備や洗濯したり。
ほんと、雑用程度。
最下級冒険者っていうのは、始めの頃は師匠みたいなひとに付いて、戦闘訓練を受ける必要がある。
それも、ギルドの登録時に自分の特性が明かされるから、その特性を伸ばしてくれる人につかないと意味がない。
その特性というのは、剣術や魔法、格闘技や弓、ありとあらゆるものが現れる。
そうして、自分のレベルを上げて、冒険者としてのランク上げをしていくんだけど。
残念なことに、僕には適正がなかった。
なかったというよりも、何も出て来なかったというのが正しいかな。
だから、焦ったよ。
誰かに師事することも、自分のこと得意分野すら伸ばすことも出来ないんだから。
だけど、僕はどうしても冒険者になりたかった。
いや、一応冒険者ではあるんだけど。
一流の冒険者になりたかった。
そして、お金を稼ぎたかった。
それがぼくの目標だつたんだ。
少しでも強くなれるよう、僕は空いた時間を使って一所懸命に剣術の訓練に励んでいたんだ。
まぁ、それでも子供のチャンバラ程度だって笑われるんだけど……
「テメェの剣なんざ、子供のお遊びと変わんねぇんだよ!」
とギルドに併設された食堂兼酒場で、酔っ払った冒険者からよく言われる。
子供のお遊びか……
僕は真剣だったんだけどな……
それでもめげずに一人訓練を重ねていた。
訓練と言っても、庭の木に棒をぶら下げてカンカン叩くだけなんだけど。
ちゃんと袈裟斬りとか払いとか意識して棍棒を振り回しているんだけどね。
本当はちゃんとした師匠につきたいんだけど。
天涯孤独の身である僕にはそんなツテがないし、第一適正がない。
それならいっそ、このギルドでしっかり働いて、そういうツテでも見つけられればと思っていたんだ。
いたんだ、けど……
僕はこの冒険者ギルドを追い出される羽目になる。
ありもしない、冤罪を着せられて…