元・死神が名前を変えるそうです
少女が俺に乗っかかっって謝って、助けてもらうことができず数時間が経った。暗かった森の中が光に溢れてきていた。
一睡もせずに助けを待っていたら朝を迎えていた。
朝チュンを希望する。
未だぐるぐる巻きの状態。蒸れて汗が止まらない状況。今すぐにでも温泉に入りたい。
エルカサドールは考えることを止めた。そして、深い眠りについた。
・・・
「あ、あの……」
可愛い女の声がする。エルカサドールは女の声だと一瞬で目を覚ます。
「何ですか?」
「きゃっ」と驚いた声を出して身を引いた。
「あの、返事しただけなのに引くと結構ダメージを受けるんですけど……」
「ご、ごめんなさい」
「謝られても困るんですけど」
「す、すみません」
「無限ループかよ」
声がする方を見ると、美人がいた。髪の色が金髪で巨乳のまるで世界トップモデルのような感じだ。
ただただ普通の会話だが、どこか楽しさを感じていた。人間は喋ると楽しく感じるのかもしれないな。
……会話ってどうすればよいのだろう。名前を訊いてみたりとかなのか。
「あ、あの名前を訊いていいか?」
「急ですね」
「会話慣れしてないもので」
「ふふっ、分かりました、私の名前はグーパ・ディシート、あなたは?」
「俺は、エルカサ」
と言いかけて少し考えた。そして、
「ネコ。俺の名はネコ。苗字はない」
「ネコ?あの自由気ままに生きる動物猫ですか?」
「まぁ、そんな感じだ」
「猫みたいじゃないのに猫?可笑しいですね」
そう言ってグーパは微笑む。
「そうだな変だよな」
エルカサドール名を変えてネコも微笑んだ。
「それでなんだがグーパ」
「何ですか?」
「このチェーンを解いてくれないか?」
「任せてください。こんなこと朝飯前です!」
そう言って、グーパは両手をネコに向け、
『ウインドブレイド』
と言うと風の刃が現れ、ネコを縛るチェーンを斬る。
布団から解放され涼しさを感じていた。ぐーっと伸びをして体を動かした。
よっと解放されました。布団をぐるぐる巻きの状態は実際にしました。妹に頼もうとしたら汚物を見る目で「クズ」って言われました。……これはこれで……いやそんなことは考えてない。絶対に、だ。結局は友達に頼んでみたら、馬鹿みたいに絞めやがりました。手の感覚が無くなってきて、マジで焦った。チェーンだとそれ以上と考えると恐ろしい。