未だぐるぐる巻きの元・死神
異世界に転生した元・死神のエルカサドール。人間になったまではいいが、未だ布団にぐるぐる巻きにされた状態だった。
抜け出すことも出来ず助けを予防にも森の奥深くのような場所に滅多に人が通らない。
異世界に転生した神様は縛りも解かないとは気が利かない神様だと恨むばかりである。
ぐるぐる巻きの状態で数十分後。日が落ちてきた。
エルカサドールの目の下にあるクマは黒くなっていき、思考がだんだん可笑しくなっていき、
「なぜ俺は異世界を転生したノーダ。意味が分かラーナイ。またパンツを被リータイ」
馬鹿だ。そんな時、何かから逃げるような息遣いが聞こえた。
エルカサドールは、ぐるぐると横移動で声がする方を目指した。すると次の瞬間、顔面を思いっきり蹴られた。
「ぐはぁ」と言うと同時に口の中で鉄の味が広がった。そして、背中にどしっと重くなった。
「痛い痛い痛い痛い痛い!」
エルカサドールは叫んだ。すると、上の方から、
「ご、ごめんなさい」
「謝るのはいいから、早く、早く降りて!」
上に乗っていた人物が早々にどけた。
「本っ当にごめんなさい」
そう言って、早々に走り出した。
「え、ちょっと待って、助けて!」
エルカサドールの声は虚しく、暗い森に吸い込まれていく。
異世界とは、都会人のように冷たいようです。
「誰か、誰かぐるぐる巻きを助けてください」
死んだ目は進化して白目になった。
今思えば、クラスメイトも都会人みたいです。一部の人しか助けてくれない。悲しき世でございます。