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ルブァン王国物語  作者: りつ
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5人の王子とちょっと変わった女の子の話





8月の星空の下。

歴史ある美しいルブァン国の王様の生誕祭が行われる今日。

華やかな舞踏会から抜け出した5人の男の子と1人の女の子は、城の庭で向かい合うように座っていた。



「じゃーさ!!もう泣かなくて済むように、ここでいっちょ皆で自分の夢を大きくいってみようよ」


立ち上がった1人の女の子が、夜空に映える美しい銀色の髪をなびかせ、星空を背に笑いかける。


「ゆっ、夢?」


そんな少女の言葉にサファイアの宝石のような大きな瞳に涙を浮かべていた少年は、泣くのをピタリとやめ不安げに立ち上がった少女を見上げた。


「うん、そう!自分達が強くなるために!」


「毎日、訓練ならしている」


「こう見えて俺もしてたり」


「違う違うー!わかってないなー!身体じゃなくて心が強くなるためだよ!」


少女の言葉に漆黒の色をした無表情の彼がぶっきらぼうに応え、それに対して泣きぼくろが特徴のエメラルドの瞳の彼がへらりと笑う。


しかしそんな2人に、ちっちっと人差し指をたて横にふった少女はその稀に見る美しい顔に満面の笑みを浮かべ反論する。



「心が強くなるためかー。ふふっいいねー」


そんな少女にみとれながら、ふんわりと笑うのは金髪の天使のように可愛らしい少年。


「さすが王子!わかってらっしゃる!」


「おい口を慎め馬鹿者。この方はルブァン国の王子だぞ。そもそも、女が強くなってどうする。それに貴様は貴族の娘だろ。もっと淑女らしくしろ」


「いやだねー!それに可愛いだけじゃ女はモテないんだよ?このご時世、1人で生きていくくらい強くならないと!それに貴族らしくするのは公の場でいいんだよ!今は皆んな同じ同世代の男女!硬い話はなんせんすーだよ」



「なっ、ナンセンスだと!?」


「あははっすげぇ、あの氷のように冷たいルークがショック受けてるー!」


「だまれサラク。殺すぞ」


「ひぃっこえー!」


わずか10歳にして、一人前のような殺気を放つルークに怖いといいながらも隣で笑う赤色髪の少年サラクは




「はい。じゃあ、そこの青色の瞳の少年から!名前と、夢をどうぞ!」


「え!?ぼ、ぼくから?」


「そりゃ君が今1番泣き虫なんだから!!」


「ふはっ、決め方超ひでえっ」


「いーからはやく!はい!どうぞ!」



なかなか酷い決め方でトップバッターに選ばれた少年は驚くものも、5人の視線に耐えきれず勇気を振り絞って声を出す。



「ぼっ、僕はシオン・ブルミシェル。将来の夢は兄さんみたいにっ、凄く優秀な人間になってブルミシェル家の発展に貢献することっ」


その少年のサファイアの瞳はいつしか賢者の瞳といわれるように。


「はいはーい!俺はサラク・ナタリアーナ!俺っちは将来すげぇ剣士になって伝説の竜の騎士をこえてみせる!」


その少年の赤髪はいつしか国の英雄をさす赤といわれるように。


「・・・僕はミシェル・リバニア。将来の夢は世の中の女性を楽しませるジェトルマンになることかな?」


その少年の美貌はいつしか他国の王国すらも魅了する国交の要に。



「・・・はぁ。ルーク・ヴォルカ。今の目標は、父上の様に、生涯を王家にささげ、王子の右腕として最高の臣下になることだ。」


その少年の忠誠はいつしか臣下の中で最も厚く伝説の騎士といわれるように。




「レイアドル・ウィズタニア・ルヴァン。今は問題ばかりだけどいつか全てを解決し、このルヴァン王国をさらに豊かにすること」


その少年の夢はいつしかルヴァン王国の中で歴代一豊かで幸せな時代を与える王となる道導に。




「ミオ・ルシファ!将来の夢は結婚せずに家をつぎ、我か母国と我が人生に凄い驚きをもたらすような人間になることです!」



そしてその少女の存在は、国を救う6人のかけがえのない存在に。




この大きな物語の始まりはそんな5人の小さな出会いから始まる。




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