表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

true end

作者: 省油

飛んでる矢は、止まってる

留まってる矢は、腐ってる




 どうしてあかいりんごとあおいりんごがあるの?

どうしてすうじを「たす」の?

「川」ってなんで「川」なの?

せんせいが、だめっていった。

おかあさんが、だめっていった。

なんで?



 この世界はふしぎな事ばかりだ。

すごい量の数字と文字で作られている物理法則も

英語の成り立ち、他の言語の事も

自分の事も、もっと知りたい。

でも、親や先生はダメだって、そんなこと考えても仕方がないって言ってくる。

もっと知りたいのに···

でも、もう考える時間が無くなってきた。急いで勉強しないと。



 眠い。毎日夜遅くまで科学の事、特に化学について調べているからだ。

それに、授業が退屈すぎる。化学基礎なんて中学の内に理解したのに。

親に任せたのが失敗だった。親は選べる中で学力値が一番高いやつを選んだ。バリバリの進学校だった。

「学力があれば何でもいける」と言われた。

本当にそうだろうか?

そういえば「苦手な教科を克服しなさい」とも言われた。

古典なんかよりも、化学をやりたいのに···

こんなところ、早く辞めたい。時間を無駄にしたくない。

三者面談の時に言ったら、めっちゃ指摘された。



 突然だった。「レポート作成」が主な課題となった。

今まで点数稼ぎの為に行ってきた「学び」とは真逆の方針だ。

昔から得意分野·好意分野を追及してきた私でも戸惑った。追及する時間が殆ど無かったからだ。

4年という期間でどれだけ補えるかが勝負と言ったところだろう。幸いここは時間の自己管理が出来る。前なんかよりもずっと追及出来る環境だ。

将来は研究者になる事を伝えたら、親族は大いに喜んだ。

得た金は自分の研究に使う事を伝えたら、親族は大いに悲しんだ。

仕送りもまともに出来ない事を伝えたら、60を過ぎた母は大いに怒った。

その時の言葉が「育てた恩を忘れたのか、兎に角金を送ってこい」だった。



 食費に一万も割けない日々が続く。

どういうわけか、政府は研究員に対する支援を減額した。去年はこれといった成果を上げられず、今年こそはと気合いを引き締めた矢先の事だった。

仲間は皆意気消沈しきっているが、私にはそんな余裕すら無かった。ここでやらねば、私の生命も夢も潰えてしまう。私はより熱心に研究を続けた。

退職した母からの着信で、携帯の電源は直ぐに切れた。



 成功。長年の夢が遂に叶った。強制収容所に閉じ込められていたような精神的苦痛が全て消し飛び、清々しい気分でいる。賞で貰った金銭は仲間と相談し、研究費に回す事にした。国のお偉いさんが愚痴を吐いていたらしいが、些細な事だ。メディアからオファー電話が鳴り響くようになったんで、こまめに携帯の電源を消す癖が着いた。親族からは不気味なまでに連絡がないが、それはそれで都合がいい。

さぁ、次の研究を始めよう



「···次のニュースです。今月の人口調査で65歳以上の人口が全人口の30%を越えたとして、政府は全体的な増税、福祉以外の歳出を削減する予算案を発表しました···」



 目の前が、まっくらになった

一時間クオリティ

かなり雑

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ