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お家デート2

21日目。


ずーっとコーヒーを啜る私。


彼は、まだ、布団の中で眠っている。


寝顔を布団に潜って隠した顔。


「うーん…」


再び、コーヒーをずーっと啜り、口に含ませる。


彼が起きるのを待っていると、


ザーーーーー


ザーーーーー


降り続ける空からの雨。


どんよりとした濃いグレーの空。


ザーーーーー


ザーーーーー


なかなか、止みそうにない雨。


そんな雨の音が私の頭の中に響いていた。


暫く、ぼーっとしながら、コーヒーの入ったカップを手にしていると、


10時半くらいになって、


「おはよう…」


リビングに彼が現れる。


眠い目を擦りながら、歩いており、リビングにあるソファーの上に座る。


「おはよう」


私が口を開くと、


まだ、眠いのか、目を擦っている。


「コーヒー、飲む?」


そう彼に聞くと、縦に首を振り、頷いた。


私は、彼にコーヒーをカップに淹れ、手を伸ばした。


その手から、彼は、コーヒーの入ったカップを受け取る。


そして、口に含ませ、喉に通した。


「ふーぅ」


息を吐く彼。


椅子に座って体育座りのコーヒーの入ったカップを手にしている私のところに来て、向かい合いの椅子に座る。


静かに時間は流れていく。


ザーーーーー


ザーーーーー


まだまだ、降り続ける雨。


「すごい、降ってるね」


窓を見ている彼に言うと、


コーヒーを口に運んだ彼。


そして、


「ふーぅ」


息を吐いた後、


「うん…」


再び、ずーっと彼は、口にコーヒーを運んだ。


「ねえ、華…」


彼の突然の声に彼を見る。


「何?」


そう問うと、少し間が空いたから、


「好きゲームでもしよっか?」


「え?」


ニヤニヤと嫌な予感がする顔をした彼。


「何、それ?」


そう聞くと、


「取り敢えず、好きって言えば、いいよ」


「え?そんな急に?」


「じゃあ、始めるよ!」


戸惑っている私に彼は、


突然、口にした。


「好き」


「はい、次」


それに続けて、


「あっ!そうだ!笑ったほうが負けだからね」


そう言われ、


「え?」


少し間が空いた。


ザーーーーー


ザーーー…


「好き」


彼の顔がさっきよりも近くなる。


そして、


「好き」


発した。


ドキドキ、ドキドキ


心臓の音がさらに、早くなる。


突然、真顔をなった彼。


「好き」


私が口にする。


「好き」


「好き」


「好き」


「好き」


…………


こんなことを繰り返していた。


すると、次の瞬間だった。


彼の唇が私の唇に一瞬だけ、触れた。


一瞬だけ、時間が止まったかのように、お互いの動きが全て止まる。


その唇と唇が離れた瞬間、顔の位置は近いまま、


「好き」


そう口から発した彼。


ドキドキ、ドキドキ


心臓の音が益々とうるさくなっていく。


「…」


「…」


固まる私。


動きが止まる彼。


「うふ…」


「あっはは…」


そんなお互いの姿を見て、二人して笑ってしまった。


笑い合ってしまい、


「引き分けかな?」


「どうだろう….」


はははっ


うふふふっ


再び、笑い合ってしまった。


ザーーーーー


ザーーーーー


降っていた雨が少し治り始めていた。


それから、暫くして、彼は、口を開いた。


「好き」


「…」


さっきとは、違う彼の顔つきに、


「私も…」


暫く、間が空いた。


ザーーーーーと降っていた雨も止み始め、ポツンと屋根から雫が落ちた時、


「好き」


…………


そして、彼の唇と私の唇が触れた。


それと同時くらいに、空には、薄っすらと浮かんだ。


優しくなった空に、カラフルな虹が。


唇と唇が離れると、微笑み合った。


彼が再び、私にキスしようとした時である。


窓のところから、私の目に虹が写った。


「あっ!」


椅子から、立ち上がり、窓のほうへ行く。


窓をガランと開け、ベランダに出ると、


それを見て、


「虹!」


そう言った。


彼も椅子から離れ、


「え?」


そう問いかけ、ベランダに出る。


私は、


「ねえ、見て!先輩!」


すると、彼は、私の指を指したほうを見る。


「本当だ…」


そう言い、虹を見る。


虹に見惚れている私に、突然、彼は、自分の身体を寄せ、私の頭を自分の肩に乗せ、私の背中へと、腕を回す。


そして、暫く、二人で虹を見ていると、彼が、突然、私を持ち上げる。


お姫さま抱っこ♡


「え?あ…は…」


すると、彼は、私をソファーに寝かせ状態に運び、


「もう一度する?」


「何を?」


「好きゲーム」


少し考える私。


間がほんの少し空いてから、


「えー?」


そう言って見ると、


「好きだよ」


ドキドキ


「…」


私の額に彼の唇が触れた。


私は、彼から目を背ける。


すると、


「華…」


「うん?」


少し間が空く。


静まった外と部屋の中。


「翔って呼んで…」


「…うん….」


「…」


呼ぶのを待っている彼。


空気に間が空く。


「華?」


「…しょ…う…」


すると、私を寄せ付け、抱き締めた。


そして、私の唇に彼の唇が触れた。


「もう一回….」


「…しょ…う…」


微笑む彼。


再び、私を抱き締めた。


「華…華…」


「…」


「好き」


突然の不意に、


「え?続き?」


「うーん…どっちだと思う?」


「うーん…」


考える私に、キスをした。


外は、雲から隠れていた太陽が顔を出し、晴れやかになった頃、


「好き」


彼は、そう静かに口から発した。


「私も….」


秒針の音だけが部屋中に響き渡っている。


それだけが耳にささり、


残っていた彼の声が私の耳に優しくささる。


「好き…」


静かに空に浮かんでいた虹は、薄っすらと消えていった。

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