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15日目。

15日目。




カーテンとカーテンの間から日差しが顔を出している。


飼っている黒猫が、日が当たるところで日向ぼっこをしている。




秒針の音がゆっくりと流れる。






はっと私は、目を覚ます。


布団から顔を出し、時計を見ると、既に時間は、8時半を指していた。


一度、目を閉じる。


再び、目を開く。


目をこすりながら、布団から上半身を出す。



目を時計に向ける。


8時半過ぎ。



再び続けて時計を見る。


「うーん…うん?」


眠い目を擦り、ベットから足を地につかせる。



え?やばっ!


彼は、まだ、布団に潜っている。


「起きて!起きて!」


急いで起こす。


彼の身体を揺らす。


「ねえ、起きて!ねぇ…」


何度も何度も彼の身体を揺らしながらも声をかけ、起こす。


なかなか、起きない彼。


はーぁ


ため息をつく。


また、


「ねえ、ねえ、起きて!起きて!ねえ…」


身体を揺らす。


やっと、彼の身体は、動き始め、


「起きて!8時半!」


「うーん…うん?」


布団から身を出し、ベットから足を地につかせる。


大きな欠伸をしながら、支度を始めた彼。


まだ、眠い目を擦る。


私は、急いで、コーヒーをセットしながらも、支度を始める。


彼もだんだんと動きが速くなる。


10分くらいして、コーヒーは、出来上がり、彼のカップと私のカップにコーヒーを注ぐ。


熱々だ。


私は、そのコーヒーを淹れた彼のカップを彼に渡した。


「ありがとう」


私の手から受け取ると、彼は、自分のカップを口に運ぶ。


コーヒーをずうずうと喉まで通す。


はーぁ


息をお互いに吐き、出掛ける準備を終え、玄関の前で、彼は、私に手を伸ばす。


「行こう!」


私は、彼の手を取り、


「うん!」


手を強く握りながら、走り続ける。


息をお互いに、はあはあとさせながらも。


いつも通る筈の道が新鮮。


空模様、見える景色。


分かれ道まで来ると、手を離す前に彼の唇が、私の頰にそっと触れた。


微笑みながら、


「行ってきます」


私の手を離す。


彼は、振り返りながらも足は、急いでいる。


「行ってらっしゃい」


私は、そう言い、手をそっと振りながら、微笑んだ。


なんか、彼の姿がだんだんと遠くなって行くと、切ない気持ちが心の中に残った。



仕事場に着くと、プロエジェクトの準備をし始めた。


企画書やプロエジェクトの協力を得る人達への対応や連絡、報告、など様々なことをやり、お昼を迎えた。


食堂のラーメンを食べる。


なんか、油ぽっい。


チャーシューは、固め。


まだ、インスタントラーメンのほうが美味しい気がする。


彼の作るインスタントのラーメンは、まるで、ラーメン屋さんのラーメンのように、美味しい。


そんなことを思いながらも口に運んで行く。


お昼休憩を終え、席に戻り、仕事を再開した。


書類の打ち込み、プロジェクトの準備。


プロエジェクトのプレゼンテーションの準備、流れ、詳細をはっきりとさせ、まとめたり。


大忙しの日だった。


打ち込む。


打ち込む。


4時くらいになって、目が疲れ、会社内の自販機に向かった。


コーヒーを押す。


出てきたコーヒーは、熱々。


「あっつ!」


冷たい手は、暖まる。


はーぁ


息を吐く。


コーヒーの缶を開け、コーヒーを口に運ぶ。


はーぁ


息を吐く。


再び、コーヒーを口に運び、喉に通す。


はーぁ


息をまた吐く。


コーヒーを飲み終わり、缶をゴミ箱に捨て、自分の席へと戻った。


「よし!」


気合いを入れ直し、仕事を再開した。


打ち込み、打ち込む。


更にプロエジェクトの仕事。


仕事に夢中になっていると、


「お疲れ!」


そう私に声をかけてきたのは、上司。


「お疲れ様でした」


そう言い、すぐさま、出て行った。


通り過ぎた上司は、一度振り返り、私にところに来て、


「キリがついたら帰りな」


微笑みながらそう言う。


「はい」


営業スマイルで、微笑みながら、


「お疲れ様でした」


「お疲れ」


上司は、その場から去って行った。


時計を見ると、7時を指していた。


はーぁ


息を吐く。


「帰るか…」


今やっている仕事にキリをつかせ、帰る支度を始めた。



帰り道、いつもよりも真っ暗だった。


空に光る星が見えない。


消えかけている街灯。


そこには、黒い虫が飛んでいる。


電車が私の横を通る。


ガタンゴトン、ガタンゴトン


電車が通る勢いで、風が吹く。


再び、空を見上げる。


星がはっきりと空に顔を出していない。


曇っているようだ。


はーぁ


ため息が口から出る。


私は、ゆっくりと歩き、家へ向かった。



家に帰ると、灯りがついていた。


その灯りを見て、私は、にやにやとした顔になる。


部屋までの階段を早く渡る。


ドアを閉めると、


「おかえり」


そう声をかけてきた彼。


「只今」


微笑みながら。


部屋中には、もう既に、いい匂いが漂っている。


「いい匂い!」


口から溢れる。


「今、出来たところなんだ」


私は、テーブルの上を見る。


焼かれた餃子。


大根の煮物。


ほうれん草のごま和え。


そして、シメジの味噌汁と混ぜご飯。


いい匂いが漂い続けている。


匂いを嗅いでいると、


「早く着替えて、一緒に、食べよう!」


「うん!」


微笑みながら、即座に答えた私。


お互いに席に着き、両手の手のひらを合わせる。


「いただきます!」


箸を持ち、私は、ほうれん草のごま和えを取り、口に運ぶ。


ほうれん草の甘さとごま和えの丁度良さ。


甘すぎず、美味しい。


ほうれん草の甘さが更に、引き立っている。


次に、大根の煮物に手を付け、口に運ぶ。


大根が柔らかい。


ほんのりと大根の甘さがある。


口の中であっという間になくなってしまう。


美味しい。


味噌汁を口に運ぶ。


はーぁ


息を吐く。


「美味しい」


思わず、口から溢れる。


心が温まる。


餃子もニンニクが効いており、具がたっぷりで美味しい。


彼は、そんな私を微笑みながら、食べている。


肉肉しい。


中身がしっかりと詰められたジュウシーな餃子。


混ぜご飯も美味しい。


しらすとシソが入った混ぜご飯。


全部が美味しい。


はーぁ


幸せのため息。



「ねえ!」


「うん?」


彼の方へ向くと、


顔に泡が付く。


「あーもう…」


私は、仕返しに、


「ねえ…」


「何?」


ひゅっと、泡を彼にかけた。


「おい…」


ふざけ合いながら、二人で食器洗いをした。


「ちょっ…」


「あっは…」


食器を洗うのを終え、私は、ソファーの上に座る。


少しすると、隣に座った彼。


「おいで!」


そう声をかけてきた。


膝の元を示す。


私は、戸惑う。


「いいから!」


それでも戸惑った私の手首を掴み、近づけさせ、私を抱きしめる。


「抱き枕」


「え?」


ドキドキ。


「動かないで」


更に強くなる。


「え?」


ドキドキ。


そのまま、暫くその状態だった。


ドキドキ。


ドキドキ。


心臓の音が私の中で響き渡る。


彼に聞こえてないのだろうか。


知らないうちにお互いに夢の中へと入っていた。

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