情報が回るのって速いね
今回は少し短いです。
結構雑になってしまったので、いつもよりも変な文になっているかもしれません。
大丈夫な方はごゆっくりー
ここは、幻想郷で最も多くの人間が住む場所、人間の里。店や屋台がたくさんあり、毎日賑わっている。
その日は、ある1つの新聞記事に人々の注目が集まった。
「幻想郷に迷いこんだ少年。彼には不思議な能力が!」。文が発行している新聞、「文々。新聞」の記事である。避也に取材をした内容が書いてある。能力を持った人間が幻想郷に入ってきたということで、同じ人間からしたら驚くだろう。
『能力を持っているですって?』
『外の世界から?』
『世の中広いもんじゃな』
人々は、様々な意見を述べている。
実は、能力を持った人間が入ってきたのは避也が初めてでは無い。その人間は、里の和菓子屋で話題の新聞を読んでいた。
「私と同じような人間が?」
肩までかかる長い黒髪。頭の右に黄色のピンを3つ付けている女子高校の制服を着た少女。
彼女の名は、星夜光(せいやひかり)。彼女には、「光を操る程度の能力」がある。
彼女もまた、紫の手によって幻想郷へ連れてこられた。約二年前のことである。
「武田避也。どこかで聞いたことあるような無いような?」
腕組みをして思い出そうとしていると、近くの人が彼の事を知っているのかと尋ねられた。光は首を横に振った。
「いや、まさか。そんなことがあるわけ無い……」
光は何かに期待する反面、険しい表情を見せていた。
「ここはどこだ?」
鴉の鳴き声で目が覚めた。俺は空を見上げる。青い空だった。すでに太陽は真上に昇っている。足で地面を踏みしめる。後ろを振り返ると、山が遠くに見えた。下りてきてから相当な距離を走って来たらしい。
妖怪にやられた肩が気になり、恐る恐る触ってみる。ちょっと触れただけでズキンと痛んだ。だめだ、恐らく骨が砕けている。右足は、何とか大丈夫そうだ。
これからどうするのかを考える。どこかに人間たちが住む場所があるのか。そもそも人間が住んでいるのかすら妖しい。あるのであればそこに行ってみたいが、体力がかなり減っている。むやみに歩くと、いずれ力尽きる。でも、いつまでもここに留まっていてはいけない。
すると、俺の頭にあるアイデアが浮かんだ。
今この状況は危険な状況ではないか? とすると、能力で回避して何とかなるのではないか? なんとも無茶な考えだが、それくらいしか思い付かなかった。
間もなく俺は歩き始めた。目的地も分からないまま、自分の能力だけを信じて。
避也のことは幻想郷中を駆け巡り、知らない人はほとんどいなくなった。そして、みんなの頭に浮かんだ疑問は、彼は今どこにいるのかという事である。そんな中、避也を探す人まで出てきた。もちろん、本気ではない。人間の里から外に出ることは、普通の人間には危険すぎる。
しかし、文の新聞から広まった情報が、後に避也の命を救うことになる。
「おーい霊夢!聞いたか?外来人の事」
黒い服装の金髪で大きな帽子を被った魔法使い、霧雨魔理沙は、幻想郷の東の端に位置する神社、博麗神社の巫女、博麗霊夢のもとへ走ってやって来た。
「知っているわよ。で、それがどうしたわけ?」
「どうやら、その人の今いる場所が分からないらしい。だから、私が探しにいくんだぜ」
膝に両手をつき、はあはあ息を吐きながら言った。
「そんなこと言いにわざわざ来たわけ?」
霊夢はあきれた顔で話す。魔理沙は左手の親指を立てて言った。
「霊夢も一緒に探すか?」
「やだ」