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半透明。

新しい話を書くのと、あっさりゾーンを書き直すのとどちらのほうが良いだろう?

新しい話を書くほうが楽しいんだけど。

若干上り坂になっている平原を登ること数十分。

傾斜がだんだんきつくなってきている気がするけど、不思議と目の前は見渡せる。

遠目に街みたいなのが見えるのが分かる。


正直飛びたいが、なんだかこのぽかぽかとしたいい天気に影響されたのか「飛ぶな」と命じられた。

そのせいで飛べない。飛ぼうとするとさっきの二の舞いになる。

何故奴隷紋をつけっぱなしにしてるんだよ。



ただし、木などが生えていることもあるがここは平原。

非常に見晴らしがよく、また非常に単調な景色が見るものを飽きさせる。

片田舎の気分が分かる。(失礼



何か出ないかな、と期待していると、果たして水色の物体が道路に飛び出した。


THE☆スライム。

キングオブスライム。


ゲームでよく見るスライムが、目の前に現れた。



形状は流動しているが、どちらかと言うとドラ●エよりはただ水が何らかの形状を保っているだけに近い感じである。

透明度は凄まじく瑞々しさが見ているだけで伝わってくる。


目などの器官は一切ついていない。先ほどのゆっくりよりも合理的な作りをしているような気がする。



スライムは、一度プルプルと震えると、こちらに向かってゆっくりと這いずってきた。

速度はそうでもないが、形状のせいかやけに早く感じる。

あっという間に前に居た僕の位置に到着すると、足に絡みついてきた。



……なんともないな。


いや、ちょっとくすぐったいけどまあ大丈夫。

膝下までの靴下に水濡れの感覚が広がる。


靴の中まで染み込んでくるが、気持ち悪い以外に実害はない。

スライムも必死(?)に交戦しているが、全然効いていない。

応戦しない僕も僕だが。


スライムは僕に攻撃を試し終えたのか、一息つくようにへにょっと潰れた。

そのまま動かない。どうやら考えているのか、あるいは休んでいるのか。どちらにせよ、邪魔なのには変わらない。


そのまま魔法を撃って倒してしまっても良いのだが、どうせ攻撃は効かないしちょっと様子を伺ってみたい。

モモカとアルトも同意見のようで、僕の足元を眺めている。……頬を染めるんじゃない。



視線に気がついたのか、スライムは薄空色の身体を仄かに朱に染めると、避難しようとしたのか上に登ってきた。


「ひぁ!?」「「やった!」」


ここまでテンプレ。じゃなくて予想通り。

スライムだし希望には沿わないとは思ってたけど、逃げるんじゃないかって思ってたのに普通に登ってきたね!


「ま、またくすぐり系かぁ!ひゃん!」「こういう時ダメージが入らない身体って良いなー、助けに入らない口実に出来るしなー」


流石に登るのには体力を使うのか、地面を移動するよりは遅いがそれでも充分な速度で僕の上を目指してぐんぐん登ってくる。



ちょっ…これは駄目っ!

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