非道。
書きたい小説があって連載が遅くなるなら、とりあえずストックとして書いておいて完結後に出すほうがいいかも。
僕らは、獣人大陸をゆっくりと歩いていた。
「ミライー、「私に抱っこされて」」
「うわあぁぁぁ2人共酷いー!」
うん、ゆっくりとはしている。
何故かクソ饅j…もといゆっくりも出てこないし、天気もかなり穏やかだ。
だが、何故僕が今アルトに向かって走っているのかというと、例の奴隷紋を2人が強奪してきたからである。
基本、奴隷商は戦闘集団では無いため、そこまでの戦力はない。
そこにモモカのようなチート転移者やアルトのような高ランク冒険者が襲いかかってくれば、結果は目に見えている。
そこまでは良い。奴隷紋で支配された奴隷を全員開放したのも別に良いと言えるだろう。
だが、何故この印を僕に押し直したのか。
しかも、押印直後に「奴隷紋を破壊する行動の禁止」、そしてそのペナルティとして弱体化と魅了が設定された。
僕には《状態異常無効》が無い上に、この世界のシステムでは魔力で力ずくの抵抗がかなりしにくいみたい、そういう訳で一回試してみたが大変なことになったので止めた。
それに、首輪と鎖を壊したのは僕だし。あ、首輪は敵からの贈り物だから壊しても大丈夫だな。
ただ、アルトが完全に遊んでるんだよな、とアルトの胸の中で思う。
僕に色んなポーズを取らせてみたり、走らせたりジャンプさせたり、しまいにはこうやってベタベタ触れ合うという謎行動だ。
コイツ、僕が抵抗できないのをいい事に遊んでるんだろうか。
僕は幼女状態が好きなわけではないが、最近はただ単に装備品としてではなく、自分の格好として認め始めている。
それは慣れというか一種の諦めだが、別に元の身体に思い入れがあった訳でもなし、普通に受け入れていた。
だがそれとこれとは話が別だ。
幼女状態は別に良いが、奴隷状態はちょっと精神的にクるものがある。
何と言うか、首輪より強制力が強いというか、拘束されても居ないのに強制されるのは大変ストレスだ。
まあ、大事には至ってないからまだいいけど。
その時だった。
足元の地面が突然爆発したのは。
「何っ!?」「「ktkr超展開!」」
僕ら日本人組は声を揃えて予想もつかなかった展開に驚く。アルトだけ別反応だ。
爆発は、地面から魔物が出た感じではなく地表で爆発した感じだった。
久しく使っていなかった《[砂漠の孤島 2nd] 近接戦闘アシスト》を使用し、僕ら全員を爆風範囲から押し飛ばす。
同時展開した僕の結界は、僕の想像していた強度より強かったので爆風は足止めどころか封殺されてしまったが、まあオーバースペックなのは元からだし気にしないでおこう。
そして、登場シーンの定番である高らかな舌打ちが聞こえた。




