初めての転生者狩り。
ブクマ登録数が右肩上がりだ…!
これあかんやつや!
彼は少なからず驚いていた。
多分スキルだけで成り上がったたちだろう。まあ盗賊なので成り上がっているかは微妙だが。
そして今回初めて攻撃を食らって、それに驚いているんだろう。
かくいう僕もスキル頼み感あるのだが、正直《[Nice! RPG Editor]インポート》なんてエグいスキルを持っていたら負ける気がしない。
好きなスキルを入手できるなんて、それこそチート世界でもバランスを崩す。
さて、自覚できるぐらいにワールドブレイカーになってしまった僕は目の前の青年と対峙していた。
青年側は、驚いた表情こそ見せたもののすぐさま油断のない顔に早変わりし、――消えた。
これは速度任せの暗殺系の技かな。
僕の方は、《残留思念読取(10m)》を単体で使用し、青年の思念を読み取って先を予測する。
動体視力的に完全に追いきれてないが、かわすくらいならなんとかなる。
まるで事前に見えていた(ような)動きで、相手の突きやら斬りつけ、投げをかわす。
青年も若干苛立っているのが伝わってくる。
しかしこれは結構脳に負荷がかかりそうだ。
《残留思念読取》は読み取れるだけで、読み取った結果を処理して動作予測に変換するのは僕だからな。
早速ありもしない甘いモノを食べたくなってきた。
それに、回避はわりと紙一重だったりする。
紙一重と言っても服すら無事だが、それでも服を傷つけないために一生懸命だ。
ならば攻守に出ればなんとかなる―そう思い、僕は先程の圧縮光球―《圧縮光球》―を数十個瞬間的に起動させ、ランダムで投げつける。
さらに―爆破。
流石にボムラッシュには回避の余地がなかったのか、青年はその範囲から脱出したのが辛うじて見えた、
ここでちょっとMPを見てみる。
■ステータス(RB法)(一部)
・体力:4999.9 / 5000
・魔力:7990 / 8000
あり?魔力の減りが少なくないか?
と思っていると、1秒足らずで満タンになった。
おい。チートは一覧にちゃんと書いとけよ…
つまり、魔力の内ならいくら使っても大丈夫か。それなら!
と思い、《ライトメイス》を同時に千個ほど起動し、青年の周囲から飛ばす。
さて、考えても見て欲しい。
あなたなら、一つ当たるだけでも体力の1/40を削られる光球が、周囲を埋め尽くさんばかりにある。
しかも忘れないで欲しいのは、ここは手慣れた人でも平地より動きにくい森のなかである。
青年は肉片すら残さずに消滅してしまった。
ちなみに、《ライトメイス》1つに使う魔力は初代光球と変わらない。
数式にすると、《圧縮光球》=《ライトメイス》×50
という感じだ。
いかに少ない魔力しか消費していないのかおわかりだろう。
相変わらずのデタラメスペックだな、と自嘲気味に呟きかけるが、しかし聞かれては不味い、と口をつぐむ。
しばらくは光球がメインウェポンになりそうだな。
まあ、なんとかなるでしょ…。ってね