デスヨネー。
展開に投げやり感ある。
まあいいや。
「「ようこそニャンニャン共和国へ!」」
「もうちょっと国名考えろよ!」
舞台は変わって、ここは猫共和国。
そう、国名の漢字から既に既視感がするが、ここも擬音系統の国名であった。
頭が痛い。
相変わらず人族は歓迎されているようで、どの衛兵も守る気ゼロで拍手喝采の笑顔である。
仕事しろよ。
特に検問や身体調査もなく、国に入るとごちゃごちゃした町並みが目に入った。
まるで東京のような複雑さだ。
ビルはないが、高い建物は他の国と比べて多い。
町並みは他の国と違って一望できない。どうやら、街の中で一番高い位置に配置されている王城からでないと一望は出来ないようだ。
なんとも狭苦しい町だ。
しかし廃れては居ないらしく、ちゃんと物売りの姿が見受けられる。
ただ、路上商人が多いイメージだ。
裏路地に入って調べてみたかったのだが、説明しても分かってくれなかったので強引に鎖を引っ張って連れて行かれた。
待て!ちょっと見るだけだ!
しかし、今更になって鎖が鬱陶しくなってきた。
今までどれだけちょろちょろしていたのかがよく分かる。
千切ってやろうか。いや、今は止めとこう。
外見だけで見ると、金持ちが奴隷に派手な服を着せて街を引きずり回しているように見えなくもないが、引っ張っているのは一般人…いや、冒険者な格好の2人である。金持ちのような格好ではない。
そういえば、この国でもちょこちょこ見かけるが、奴隷制度がここにもあるんだろうか。
やっぱり何度見ても慣れないな…ただ、この国は完全な資本主義の考え方では無いのか奴隷にも一応人権ならぬ奴隷権的なモノが認められているようである。
基本的にここで見かける奴隷は首輪と鎖を付けていて、個人差はあるが基本的には布一枚などの軽装、身体に細かい傷の有る人だった。
ただ、首輪は必須項目らしく(鎖はそうではないらしい)、奴隷の目印となっているっぽい。
「やぁやぁそこのお嬢さん方」
すると、やや予想はしていたがニヤケ顔の男がどこからともなく現れた。
薄汚れてはいるが、高級そうな服装。
それで包んでいる身は少し太り気味だが、日本でも健康には問題ないとされる程度のレベル。
ニヤけてさえ居なければ、イケメンとしてモテたであろう顔立ち、しかし今は下衆の極みである。
背負ったリュックサックの中から大量の金属音がしているので、首輪を持っている→多分奴隷商人、と考えた。
「はじめまして、私は奴隷商人のドレカと申します」
「!?(笑顔で魔力チャージの小説じゃねぇか!)」
「早速ですが、こちらの奴隷を私に売っていただきたい」
慌てて2人の顔を見るが、彼女らは気がついているのかいないのか余裕の笑みを浮かべている。
うーむ。何か悪いことを企んでるっぽいな。これはどうしようもない……
奴隷商人さん、すまない。
―と思っていた時期が僕にもありました。
「売って欲しいんですよね?おいくらですか?」
「幼女、処女、その謎の装飾品。占めて1億円で如何でしょう?」
「売りましょう!」
「…はい?」
「毎度あり!」
鎖の先端の輪っかは奴隷商人に渡され、お金は奴隷商人の後ろからお付きの人が現れてカバンで渡した。
……あれ?




