自然を感じる。
ストックがまた1つ減ってゆく……
晩ご飯、宿屋省略。結構良い宿屋に泊まったのでお金は使ったが、快適な一夜を過ごすことが出来た。
相変わらずアルトが襲ってくるが…コイツは何なんだ本当に。
朝気づいたら既に立てないレベルまでモフられ&いじられて、その上につやつやしたアルトが乗っかっているという状況だった。
一瞬で把握したが、力が抜けている上に乗っかられては起き上がることも出来ない。
実はアルトの胸が僕の胸に思いっきり当たって居たのだが、焦っていた僕はそんなことお構いなしだった。
…まあ、焦っていなくても構ってないかもしれないが。
とりあえずこの国に用があるのは武器だけなので、早いが国を出ることにした。
特に問題なく国を出られた。
衛兵さんには、僕に向かって最大の笑顔を向けた後、アルトたちに向かって最敬礼をした。
かしこまり過ぎだよ。
道自体は分かりやすいので、迷うことはない。天才バ●ボンなら間違えるかもしれないが。
こちらの道は四原色シリーズとは違ってきちんと整備されているため、非常に歩きやすい。
丁寧に刈られているとまではいかないが、良い感じにフサフサとした歩き心地を与えてくれる。
草木を通り抜けた風が僕らを撫でる。
実に気持ちがいい。
田舎に住みたくはないが、田舎の総てが悪いわけではないということを教えてくれる。
完全に都会人的発想ではあるが。
この先は山道になっているようだ。
何故か山道は石造りの道となっている。突然草が途切れていてかなり違和感がある。
「何故…」
『秘密♪』
「理由は知ってるんだね」
突然話しかけてきたリオテだが、何が楽しいのか不明である。
早いとここの山を登り切ってしまいたいが、高さはそこまででもないのに傾斜が急である。
傾斜が急な上に石畳、足に優しくないコースだ。
もっとも、足に優しくないと言っても僕はモモカに抱えられているので関係ない。
ついでに言うと、回復魔法があるので幼女姿でも疲労とは無縁である。眠気とかは普通にするけどね。
山道を歩くのは結構しんどいと思う。
元にアルトは…あれ、アルトは息が切れてない。流石高ランク冒険者か。
一方、モモカはバテてきているみたいなので、無詠唱で回復しておいた。
こうなるとサクサクプレイである。
疲れない(正確には、アルトは疲れにくい)のをいい事に、僕らは一度も休憩せずに山頂まで来てしまった。
しかし向こう側の景色は代わり映えしなかったのでそのまま感動もなく降りる一同。
その時だった。
「ちょっとまつのぜ!」
山の中腹辺り、こちら側の斜面は石造りではあるが幾分か緩やかだ、そこ辺りで草むらから何か丸いものが飛び出してきた。




