真打ち登場。
性格的に、折角溜めた小説を一斉に出したい気分になる。
駄目だ…凍結が一番ダメだ…
※タイトルが「○○。」は主人公視点、「○○!」はそれ以外視点です。
盗賊が現れた。
前作というとメタいが、前の盗賊をふっ飛ばした翌日だ。
前の盗賊の見た目を「THE☆盗賊」とするならば、今回の盗賊はこの大自然に似合わない銀行員みたいな格好だ。
正直言って、めっちゃ目立つ。
ニヤニヤとしている彼の表情からは、僕らのほうが弱いと踏んでいることしか分からない。
前世でも読心術とかは雑誌で軽く目を通りただけだから、出来なくても当然だけどな。
しかし、また一人か。
ここいらの盗賊は全員自身があるのかね?
今回の盗賊も「今持っている荷物を云々―」と言い始めたため、それを聞き終わる前に光球をぶつけてみた。
光球は、彼の服に吸い込まれて消えた。
は?と唖然となる僕に反し、他のパーティー7名は戦闘態勢に、商人たちは防御結界の強化に入った。
凄く速いな。
そして、最初の戦闘と同じように斧の人が飛び出していく。
しかしその斧は、盗賊にあたった瞬間砕け散った。
呆然とする戦士さん。
その間に、僕は光球のショックから立ち直りこの盗賊を《[VISUAL SHOT] 敵情報の表示》で見てみた。
■ステータス(RB法)
・名前:トモヤ
・体力:390 / 400
・魔力:500 / 500
・腕力:6.5
・走力:7.5
■スキル
□固有
・魔力吸収…常時発動。魔法攻撃を吸収する。
・武装破壊…任意起動、付与型。攻撃された際、その武器の耐久度の減少を通常の100倍に増幅する。
□一般
・火属性魔法 Lv.1…火炎属性系統の初段。ある程度魔法で火を扱える。
・聖属性魔法 Lv.1…神聖属性系統の初段。回復系魔法を扱える。
ふむ。名前や能力からして、チート転生者の可能性が高いな。
ちょっとカマをかけてみたいが、それはこれの考察が終わった後だ。
まず、体力や魔力は明らかに僕に劣っている。当然だ。
しかし、腕力は僕より上なのか。まあ運動不足だったし仕方ないか。
そしてスキル。
おそらく光球を吸い込んだのもスキルのお陰だろう。
斧を粉々にしたのも…まあ、スキルだろうな。
さて、折角得た情報を共有するか迷っていると、盗賊が行動を開始した。
一瞬で間合いを詰めると、斧を失って呆然としている戦士に短刀で斬りかかる。
戦士は一拍遅れてそれに反応しようとするが、いかんせん隙がない。
瞬時に背中に回られ、戦士は大胆に斬られてしまった。
盗賊―いや、もう青年でいいか―は、人を切った経験があまりないらしく、戦士は即死ではなかったが重症だ。血がだらだらと出てきて、立っていることも出来ないようだ。
回復しなくては、と思ったが、そう言えば回復魔術師がいたなと思い返す。
その人に任せるか。
「おい、大丈夫か?」
声を掛けると戦士は一応反応を返す。既に言語ではないので、意識があるのは奇跡といったところだ。
次の瞬間回復が始まったので、回復魔術師に軽く礼を言ってから―「え、ちょっと待ってまだ―」―青年に向き直った。
「ふーん…回復魔術師持ちとは、贅沢なパーティだな。面倒だ」
青年はそう吐き捨てると、僕に向かって先ほどの攻撃を繰り返してきた。
僕は魔法以外の攻撃手段が今のところ皆無なので、先程は「こんなもんかな?」の魔力で放っていた光球を、魔力の数値で意識して丁度1だけ消費するように調整した。
それと、投げやすいように元気玉サイズから野球ボールサイズにまで圧縮してみたのだが、なるほど一度作ってしまえばこっちのほうが楽に作れそうだ。
ただ、ちょっと魔力を込めすぎたのか禍々しい光属性となっている。
そのまま青年に飛ばしてみると、青年が紙一重でかわそうとしたがここでも謎の自動AIMが働き、青年にモロに当たった。
相手のスキルが発動し、魔法自体は吸収されたがダメージは入ったようだ、しかも若干青年を押した。
…正直、ゴリ押しで勝てそうなんだが。
ちなみにプロットや予定や目的は無いです。
そのうち、ね(やらない奴の台詞