管理。
そうそう、こういう軽いタッチの小説が書きたいんだよね!
登場人物が沢山出てきてわちゃわちゃとか書きたくないんだよね!実は!
僕らは、目の前に見える国に向かって歩いていた。
先ほどの話だが、モモカたちは村の女性を連れ去ったゴブリンの討伐に行っていたらしく、それで連れ帰っていたとのこと。
思ったより単純な話だった。
ちなみにゴブリンはゴブリンロードごと全滅させたので、しばらくは安全とのこと。
ふーん、と相槌を打ちながら首を傾けると、首輪に繋がれた鎖がジャラ、と鳴る。
ちなみにこの鎖なのだが、ゴブリンの巣から拾ってきて洗ったもののようだ。
ゴブリンの巣には大抵ゴミアイテムしか無いのだが、これは《自動修復》や《力積耐性》(瞬間的な力に耐える奴)、《粘り強さ》(継続的なry)を備えた超高性能な鎖らしく、頑張って逃げ出そうとはしてみたが折角のレアアイテムを破壊するのは惜しいし、現在は為すがままにしている。まるで僕の状況を見越したかのようなアイテムだ!
鎖を持っているモモカも魔力による筋力強化を覚えたらしく、それに端っこを輪にして腕にかけているので僕が力づくで逃げ出すと腕が切れると思う。僕の首がそれに持つかどうか知らないけど。
ちなみに言われて転移してみたが、首輪も一緒に転移される影響か鎖を持つモモカごと転移した。
そしてすっかり緩んだ表情の2人をちょっとだけ先行する感じで今僕は歩いている。
首輪に鎖を付けられて喜ぶほどMではないが、別段拒否感もないのであまり抗議もしていない。ちょろちょろしているのは否定しないし。
ただ、疲労回復用の聖属性系統を2人が持っていないので、僕は自然と彼女らに合わせた歩き速度になる。
正直ちょっと遅いが、仕方なかろう。
周囲を眺めてストレスを発散しつつ、《演出》等で遊びながら歩き続けた。
◆
国に着いた。
やはり四原色シリーズはどこかおかしかったらしい、国門のところには大きな文字で「犬王国」と書いてあった。
ところで、ネコネコ王国のときは「猫王国」とか書いてあった気がするんだが…これの読みは「いぬおうこく」とかで良いんだよね?
「ようこそワンワン王国へ。…おお、人間の方でしたか!」
フラグ回収しました。犬獣人の人か、犬耳を晒したままの衛兵たちはまるで歓迎するような姿勢をとった。
歓迎されるほど僕らは何もしていない。
「して、そちらの方は奴隷ですか?それにしては、光り輝くなどと豪華な服装でいらっしゃいますが」
「いいえ、仲間です」
「仲間…?」
衛兵にされて当然の質問をされたが、返答を考える間にモモカが答えてしまった。
まあ、間違っちゃないしOK。仲間というには関係が希薄な気もするけども。
「ところで衛兵さん」
「なんでしょう、人間のお嬢さん」
「お嬢…まあいいや、衛兵さん軽装なんですけど戦えるんですか?」
「失敬な。ちゃんと戦えますよ」
「へー。アルトー、戦ってみて!」
「え!?私!?」
衛兵さんの強さを知りたかったので(単なる興味である)、アルトと戦ってもらうことにした。
さて、どうなるのでしょうか!




