配管工方式。
そしてチートが強化される
ネコネコ王国を出ると、そこには明らかに道っぽい道が存在した。
ここもマ●オ方式なのね。一本道か…迷わないで済むのはいいけど、面白みの欠片もない。
しかも、地形の変化もあんまりない。
正面には平野が続いている。
ただ、道は緩やかにカーブして山に入るようだ。
平野の草むらには魔物がいるっちゃ居るが、小さくて可愛らしいものばかりだ。
身長が低いので、草むらの中はよく見える。
山の麓まで来ると、何故か穏やかだった気候は日本の初夏のようなムシムシ感に変貌する。
正直暑い。暑いのだが、クラクラしたりはしない。種族"ゲームプレイヤー"のせいだろうか。
『ああ、ゲームプレイヤーね。この種族は、……うん、チートと言って良い能力を持ってるね』
いや、チートは事足りてるんですけど。
万が一足りなくても後から自分で追加できるんですけど。
『まあまあ、聞きなって。
ゲームプレイヤーの最大の特徴はスキル《@ゲームシステム》。最初のアットマークは潜在スキルとか、前提スキルとかそういう意味よ。
これがあれば、ゲームの能力を使用・追加できるの。ついでに、HPやMPが0になるまでは体調が変わらないわ。
ただ、そこの世界にもゲームスキル持ちは居るけど、複数のゲームのっていうのはミライ、あなただけよ』
マジかよ。
"これだけでもチート過多"が多すぎる件について。
いや本当に、大半の能力が失われたとして、僕は普通に此処で俺TUEEEE出来るだろう。いや僕TUEEEかな。どちらでもいいや。
『あと、"装備品の耐久値が残っている限り装備者はダメージを受けない"なんて特性はゲームプレイヤーには無いわ。これは、どれかのゲームの特性が反映されてるものだと思う』
へー。そんなゲームがあるのか、と思ったがよく考えたら地下の迷宮だった。
あのゲーム、装備品が消耗アイテムとしてカウントされていて、普通のゲームよりは耐久度が数段低いのだが凶悪性能なのでよく用いられていた。
『あ、そうだ。ちょっと裏技を発見しちゃったから、試してみてくれない?』
「まあ良いですけど」
リオテの声が楽しそうになる。なにか良からぬことを企んだようだ。
これ以上強くなるのだろう。もう僕はやけくそ気味である。
考えてもみて欲しい。例えば、世界征服を終えた最強の男が、神様にチートを授けられて能力値が数倍になったとする。
男は楽しいだろうか。つまり、そういうことだ。
僕は戦闘狂ではないが、戦うのは刺激となるので少なくとも暇することはない。
『《[Cube Craft MOD “Web in Game”] Web閲覧》ってあるでしょ?それで、適当なファイルをDLして欲しいの。何故かは、操作後に説明するわね』
「りょーかいー」
言われたとおりにWebブラウザを起動。
前回使った、青い鳩のSNSのタブが残っていたのでホームボタンで戻して、フリゲ紹介サイトから適当なゲームをDLする。
すると、DLダイアログが出るので、今回検証したいのはこれかな、と「フォルダを開く」を押す。
―よく見たファイラーが立ち上がる。
おおおおおおおお!!??
思いっきりPCの画面じゃないか!
ご丁寧に、スタートメニューやらタスクトレイ、通知バーも健在。
ここで種族を確認してみる。
■種族(ミライ)
"ゲームプレイヤー"→"パソコンユーザー"
ランクアップしました。
嬉しくない。




