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緊急!

次話もそうですが、他人始点が拙すぎる…

何故主人公だけマシなのかというと、性格を筆者と同じにしているからです。

カインズは良い国だった。



獣人大陸と一番離れた国だったのに、獣人と一番仲良く接してくれていた。

いつ獣人が来ても良いようにと、わざわざ国内で獣人の貨幣を使えるようにしてくれた唯一の国だった。


他にも、平和主義に目覚め、軍隊を持たないという非常識な策を打ったのもこのカインズだった。

非常識とは言ったが、それはいい意味でだ。誰も思いつかないような奇策に出る。それがカインズの特徴であった。



その、慣れ親しんだ国が今、命の一つも残さずに散った跡が目に飛び込む。

誰でも分かりやすく、通りやすかった大通りや裏道は総て均等に崩され、見るも無残な光景を晒すばかりである。

あまりの景色に、しばし言葉を失った。





どれほどの時が経っただろうか。

太陽か月を見ると時刻が分かる非魔法スキル《日月刻》を用いると、1時間弱が経過しているのが分かる。


この長い間危機に晒されなかったのを訝しむと、視界に結界特有の反応が入る。

あの硬そうなのを見るに、ミライがやってくれたのだな。



結界は自分が動くのに追従するようなので、それをそのままにしたままミライを探し始めた。

街はこんなに見晴らしが良くなっているのだ、あの小柄でも見えないことはあるまいて、と周囲を見渡し、獣人固有の(と言っても、デルタは国王なので尚更良い)聴力と嗅覚を駆使してミライを探す。


しかし反応がない。ミライの痕跡は至ることろに存在するのに、本体らしき存在感がない。

少々歩くことにする。



街を歩くが、やはりミライの本体が見当たらない。

ただ薄れゆく存在感と、残骸による悲しみが沸き起こるばかりである。


足音だけが虚しく響くが、そんな一時の感情に身を任せるのは愚策だ。

ミライは何故か獣人族に友好的だった。ならば、あやつには何か秘密があるに違いない。



考え事をしながら歩いていると、どうやら自然とミライの痕跡を追っていたらしい、王城跡についた。

崩れが街よりマシだ、もしかしたら王城にも何かあったのかもしれん。

いや、執務室とか図書管理室などの主要な情報系施設は完全破壊されている。何かの痕跡を消すためか。


王城に入ると、辺りを見回す。

―ミライ発見。

角の部屋か。あそこはメイド長の部屋だったか。

もしかしたら、何か手記でも残ってるのかもしれん。


我はミライの居るであろう部屋に駆け寄った。

何故か閉ざされている扉を、壊れた蝶番を吹き飛ばすことによって強引にこじ開けると―



―そこには、転移系と思われる魔法で転送される倒れたミライと、知らない少年の姿があった。



知らない少年は、見たところ学校に通う程度の年齢だろうか。それしか分からない。

何故なら、その少年から圧倒的実力差を感じて逃走することを迷いなく選択したからだ。



「(すまぬ、ミライ)《戦線離脱》」



自分は獣人国に一瞬で帰還した。

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