荷馬車の襲撃。
ブックマーク25件の数字データは筆者にやる気を与えました。
だからといって作品の出来が良くなることは無いですが(おい
(2016/04/27追記)やっと見つけた!汚名は挽回じゃなくて返上するものなのでしたね!
馬車は道無き道を進んでいた。
いや、正確に言うと道はあるのだが、いわゆる前世でいうところの獣道。しかも、探検家が1人で通るのではなく荷馬車が何台も通るのである。
無茶苦茶だ。
先頭の馬車に乗っている商人が何らかのスキルを使っているらしく、スムーズに進んでいるがあの人が居なければ大変なことになるのが分かる。
僕の《[地下の迷宮] オートマッピング》は一度来たことのある所をマッピングする機能のため、帰り道は問題ないのだが。
ちなみに僕は前にも言ったように1人でここに来ていない。
他の冒険者と一緒だ。
他の冒険者は全員パーティーで来ていて、僕に話しかける奇特な人は居なかった。
悲しくはない。寂しくもないはずだ。うん。
しかし当初思っていたぐらいにはは景色がいい。
獣道だが、田舎暮らしではなかったので自然を見る機会があまりなかったのだ。
青々と茂った木々と雑草は、どこか懐かしげだった。
しかし勿論、魔物が出ないなんてことはない。
早速何かが飛び出してきた。
動体視力は別にチート級ではなかった(防御は上がってたのに)ので、行動が一瞬遅れたがそれが災いして他の冒険者に遅れをとってしまった。
「とりゃっ!」
3人組の男・男・女のパーティーの中の斧を持ったおっさんが、出てきた魔物―「火スライム」―を一撃で討伐する。
ちなみにこれだけ聞くと火スライムが弱いのでは、と思うかもしれない。ただあれは「この難易度の依頼では」雑魚というだけで、新人が挑むと逆に1撃で撃沈する危険な相手だ。しかも、相手はスライム種上位だから物理体制が高い。
その上火炎属性の魔法を放つという、割と危険な魔物だ。
なので今の戦士が一撃で倒したのは、多分飛び出した時の勢いで初撃限定のダメージ増加があったことと、単純に斧の性能だろう。
見ると、白銀の斧だった。銀って宝飾品のイメージがあって頑丈な印象がないんだけどな。
それから数分後、横から唐突に先ほどのスライムがまとめて5匹出現した。
スポーンしたてのようだ。
3人パーティーの方は先手を打てるのが1人らしく、先ほどの戦士がスライムを1匹減らした。
固めのゼリーを潰したようなグジュッという音があたりに広がる。
次に、3人パーティー側から剣士(残りは回復魔術師のようだ)、4人パーティーからもう一人剣士が飛び出す。
4人パーティーの方には、弓兵がいるようだ。属性付与矢を持っている。金持ちか。
獲物を奪うようで悪いが、ここは出遅れた人の汚名を返上させてもらおう。
「《ライトメイス》」
かろうじて先端が分かる、柔らかな曲線を描く光球を4つ同時に投げる。
光球は若干AIMミスしていたが、何故かホーミング機能が付与されていたらしく軌道修正してスライムを直撃。
総て一撃で葬り去った。
なんともいえない表情でこちらを見てくるパーティー、その数合計7人。
いたたまれない。
書き溜めはまた増やしてるつもりです。
つもりです。