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変化。

あっさりゾーンは抜けたのに、普段から展開は超高速なんですよね…

デルタ国王は先程まで血まみれだった。

だってそうだろう、少し切られただけでも血が出るのに、それを数十人にまとめてモロに受けたのだ。

血まみれじゃないわけが無い。

まあ、先ほどの《即時回復(クイックヒール)》で全回復しているが。


殲滅した衛兵を念入りに消滅させつつ、デルタ国王に大丈夫か確認していると、グリーンの国王が現れた。

兵士じゃなくて国王か、と思ったがここらの国王は強いらしいし、兵士もさっきの惨状を見れば大半がやられてしまったのだろう。

自覚はなかったが、兵士たちには加勢があったようだ。


「随分と派手にやってくれたな、獣人族よ」

「あんた…フォレスタの国王か!」

「フォレスタ…だと?此処はグリーンだ!フォレスタなどという汚らわしい名は捨てた!」

「捨てただと!あれだけ誇りにしておったくせに!」

「たかが獣人族ごときには劣らんよ…人族は、変わったんだ」


知らんがな。

一人話についていけない奴がここにいるぞ。

人族変わったのかよ。

国名まで変えて何する気なんだよ。

後、すぐに襲うんじゃなくて口喧嘩とは平和だな。



僕の考えがフラグになったのか、突然両国王は戦闘態勢に移行した。

デルタ国王は《窮地の構え》《戦闘の構え》等のスキルを発動、大してグリーン国王は片手に身長の半分くらいの剣を手元に出現させた。スキルももちろん発動している。

これはヤバい。

デルタ国王、さっき衛兵に負けたのを忘れてないだろうな。一応保護しておくか。


一応適当に詠唱を追加してっと…

「相手の力を利用せよ《消費転嫁(ダメージリターン)》」


あ、なんか鍵がはまったような感じがする。

これが「魔法に対して詠唱が合う」状態なのか。と言うことは、今の魔法は最大効率で発動されたってことか。

適当に作った魔法でも、ちゃんと合う詠唱があるのか。不思議だ。


まずは、圧倒的速度差をもって、グリーン国王が僕に…僕に!?斬りかかる!

防御をしようと思ったが、焦ると範囲を間違えそうなので《瞬転》で斬りかかりを避ける。

デルタ国王を挟んだ直線上に転移した。



これで、グリーン国王はデルタ国王を攻撃するだろう―

そう思ったが、ちょっと甘かった。

グリーン国王は範囲系の魔法を使おうとしてきたのである。


「その身を焼け、その物よ燃え尽きよ《炎円(フレアサークル)》!」


詠唱が短かったのもあり、僕と獣人国王はまとめてその円の中に入ってしまった。

その直径、百メートル弱。回避できないこともないが非常に困難であった。


しかし全然熱くない。何故だ?と思ったが、どうやら魔法少女の服がダメージを肩代わりしている模様。

謎に高性能だな。


徒歩でゆっくりと範囲を出てみると、燃えているグリーン国王が居た。

猫獣人国王、設定を弱くしすぎかな?

衛兵くらいとは善戦して欲しいかも。

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