非魔法。
あっさりゾーン最終話。これからはもう少しマシな文章になります。
《物理現象化》を発動した後。
僕は若干ピンチだった。
魔法が使えない。
うん、剣とか使ったこと無いから完全にピンチだね。
すると、横で風切り音がしたので横を見た。
どうやら猫獣人国王が跳びかかったようだ。
大丈夫か。(地球の)物理がどこまで身体に影響するか分からんぞ。
というか魔素がどういう扱いになってるのかも知らないぞ。
リカルタは遺言すら残さずに倒れ伏した。
◆
戦いがあっさりしすぎたので、今はどうしようか思案中。
獣人国王は「このまま内陸まで案内を頼めぬか?」と言ってくるが、どうしようか。
いや、悩むほどのことは無いな。内陸まで行こう。
僕は、今更国王を連れて《転移》した。
国王は魔法に慣れていないのか、若干しかめっ面をしていたが、まぁ大丈夫。
あっという間にグリーンに到着到着。
楽すぎて困る。
グリーンの様子は僕から見て全く変わっていない。
とすると、ここには500年の間に起こった痕跡しか残っていない訳だな。
僕のギルドカードを見せて入国。獣人国王が「我は―」と言い出しそうになったので止めておいた。
だって絶対面倒なことになるし。
さて、グリーンに入ったわけだが、獣人国王はまるで初めて来た場所のようにキョロキョロと辺りを見回している。
どうしたのだろうか…変わりすぎて、何処の国か分からないのだろうか。
「国王様」
「デルタだ」
「はい?」
「我の名前…デルタと呼べ」
「はい、では…どうかなされたのですか?」
質問を投げると、デルタ国王は太い腕を組んだまま唸る。
どうやら迷っている様子だが、何を?
「うーむ…ここはフォレスタで間違いないよな?」
「え?フォレスタ…今はグリーンって名前ですけど」
「なぬ!?」
何回驚くんだよ!
それはそうとして、やっぱり国名は変わってるみたいだな。
そう思ってグリーンの名前を出したけど、やっぱりそうだったみたいだ。
再び唸りだしたデルタ。正直動かないから描写しにくい。
仕方がないので、グリーンの町並みに何か異変が起こっていないか確認することにした。
僕が入国した時と同じ綺麗な町並みだ。
1本の大通りから網目状に伸びる通路という、合理的な町並み。
人々が休みなく行き交い、賑わいを見せている。
なんか怪しいのが居たりするが、それも前に―っておい!
怪しい奴居るのかよ!
怪しい奴は僕と一瞬目があった気がしたが、消えてなくなった。
なんだありゃ。転移系統の魔法でエフェクトの無いやつってあったか?
まあ、気のせいか。




